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6TEEN ―シックスティーン―

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腕の中の彼女のすべてを、受け止められると信じていた。16歳――「永遠」の切なさを知る季節。

ダイ、ナオト、ジュン、テツロー――あのベストセラー『4TEEN』(直木賞受賞)の少年たちが帰ってくる! ぎこちない恋、初めての裏切り、仲間の死、少しだけリアルに感じられ始めた未来の自分……。東京・月島を舞台に、16歳にしか訪れない一瞬の輝きを鮮やかに切り取った青春小説。




石田衣良さんの本です。

石田さんはちょっと久しぶりですね。
4TEENの続編ということで、久しぶりにダイ、ナオト、ジュン、テツローの4人が帰ってきました。

たった2年。
中学から高校に上がって歳を重ねただけで、10代というのは何だかとてつもなく大人になったような気がしますよね。

実際中学の頃って、義務教育で強制的に行かなければいけない学校とか、働けずに親に養ってもらっているという点では、どうにも窮屈で、学校の規則や思春期特有の悩みも沢山抱えていた気がします。

その点、高校生になると、自分の学力で学校を選ぶ事が出来て、お金を払って授業を受けて、自分でもバイトをしてお金を稼ぐ事も出来て、色々な場所に行けるようになって、少しだけ自由になれるような気がしたから不思議です。

でもそれは、作中でもテツローが言っているような、中学の頃は想像でしかなかったことが現実に、具体的に考えられるようになったこと、みたいな。そういう事なんだろうと思うのです。

中学の頃って、本当に本当に狭い世界にいる。

小学校から持ちあがりで、別の小学校の子が加わるとしても、やっぱり田舎の小さな街から集まってきた同じ世界の人間達。

だけど、私は高校は地元から出たので、ただちょっと別の地域に住んでいる人と話しただけで、活動範囲も考え方も、色々な呼び方(何かの略称だとか)が全然違っていて面白く感じたのを覚えています。




本作では、別々の高校に通うようになり、ダイは定時制に通いながら子持ちの一つ年上の子と同棲生活をしていて、ナオトは早老症と戦いながら高校へ通い、ジュンは東大進学率の高い名門校に通い、テツローは入学した学校で様々な悩みを抱えた子と友達になったり、初めての経験をしたり――

4TEENではまだまだ子供だった4人が、確実に大人へと近づいていってるのが分かる話が散りばめられています。

男の子って、童貞かそうでないかの境界線って凄く大きい気がしますね?
中学の頃の彼らと、今の彼らは、それを捨てたか捨ててないかの差が顕著に表れているような。

それと、男の子の友情は一生ものの気がするけど、女の子って恋愛が絡むとすぐにダメになるからね。
当たり障りなく、誰とでも付き合っていけるようなフラットさが私は中学の頃うらやましくて仕方ありませんでした。

なんで女の子ってのは、ねちねちして陰険なんでしょうねえ。

何だかそういった意味でも、彼らの友情がとてもうらやましく感じました。
中学を卒業しちゃうと、自然と中学時代の友人とは疎遠になっちゃったりするのに、変わらない友情ってあるんだなあと思うと、しみじみ。

何となく都合の良すぎる展開(地味男子・・中の下くらいの男子が、美少女と早々出会う機会なんてないんじゃね?とか、出会う子出会う子が、何で皆可愛いんだ?とか)もあったけれど、それを差し引いてもやっぱり青春って眩しいなあと思った本作でした。

それだけ歳を取ったんだね。

気付けば私も、高校1年の頃からもう10年経っているわけで・・・