宿泊料1泊7000円、都内にあるリバーサイドホテル。何の変哲もないそのビジネスホテルには、使用禁止の部屋-廊下一番奥の「705号室」が存在していた。その部屋はなぜ使用禁止になっているのか?その部屋でいったい何があったのか?ホテルの従業員でも、知る者は誰もいない。新しく支配人に就任した本城はホテルの売り上げを上げるため、「705号室」を改装し十数年ぶりに予約を取ることを決めた。やがて、大きな代償を払うことになることを知らずに。「705号室」にかかわったがために、宿泊者、デリヘル嬢、支配人、客室係、フロント係たちの人生が、災いに蝕まれていく…。
塔山郁さんの本です。
塔山さんと言えば、毒殺魔の教室で鮮烈なデビューを飾った作家さんでありますが、このミステリーがすごい!の優秀賞受賞作ということで、期待以上の作品を書かれた方でもあります。
その、第二作ということで大変期待をしていたのですが・・・・
「あれ?」
この人、こんな回りくどい言い回しをする人だったっけ???
序盤から中盤まで、読みにくい事このうえない!
とにかく、一文がどうしてこんなに長いの!?というくらい、「。」がないのです。
とにかく、一文がどうしてこんなに長いの!?というくらい、「。」がないのです。
日付毎に小さな章の集まりで成り立つ物語の構成で、その章によって語り手が変わっているのに、その書き分けが出来ていない、というよりも、このくどい言い回しはなんとかならないのだろうか・・・と、いつもなら一日一冊読み終えてしまう私も苦戦し、一日で半分しか読み終える事が出来ず、半泣き状態でした。
しかし、中盤の物語のカギとなるある「手記」が登場してきたあたりから、まわりくどかった文章は一転。
おどろおどろしい出来ごとが綴られた手記に読み手はどんどん引き込まれていきます。
ミステリ、というよりはホラーという分類です。
ラストの、永遠に続くとも思われるこの恐怖の無限ループ。
一体この物語に結末は訪れるのか。
一体この物語に結末は訪れるのか。
意味深な物語の終焉は、永遠に終わらない恐ろしい出来ごとを安易に想像出来て、ぞっとしたのでした。
最近仕事の事で、テンションが落ちているので、そういう気分の時に読んで楽しいものではなかったのですが・・・
しっかりと「ぞっ」とした感覚を味わう事が出来たので、やっぱりこの作家の力量を見た思いでした。
しっかりと「ぞっ」とした感覚を味わう事が出来たので、やっぱりこの作家の力量を見た思いでした。
次回作にも期待しましょう。