「私を誘拐してください」借金だらけの便利屋を訪れた美しい人妻。報酬は百万円、夫の愛を確かめるための狂言誘拐。シナリオ通りに仕事は成功するが、身を隠していた女が殺されているのを見つけて…。傑作ミステリ!
歌野晶午さんの本です。
ああ!好き好き!こういうミステリ作品、大好き!
歌野さんは、本当に凄いなあ。
相当作品を出しているから、まだまだ全制覇には程遠いわけですが・・・読む作品全てが趣が異なる作風で。
相当作品を出しているから、まだまだ全制覇には程遠いわけですが・・・読む作品全てが趣が異なる作風で。
初期の本格推理小説から、ミステリ作品・・・警察小説、探偵小説――様々な作品を自分のものにしてしまっている。
この作品の文章の読みやすさもさることながら、狂言誘拐を依頼された主人公の二面性(狂言誘拐に巻き込まれた被害者でもあり、誘拐の加害者でもあり)を見せたり、章と章の間にふいに入れられた事件の真相を握る描写――
この人があやしいなと思っていた人は全く関係なく、あのラストに「ほほう」と思わずニンマリしてしまったのでした。
本当凄い作家です。
今は葉桜の季節に君を想うということを読んでおります。