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白い家の殺人

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冬の八ヶ岳山麓の別荘で、猪狩家の令嬢・静香が逆さ吊り死体で発見された。凄惨な密室殺人は別荘を恐怖の渦に巻き込み、そして第2の被害者が出てしまう……。1冊の日記帳によって明らかになる猪狩家の悲しく暗い過去。事件解決に挑む青年探偵・信濃譲二は完全犯罪を暴けるのか!?傑作長編推理第2弾。




歌野晶午さんの本です。

本日より歌野さんウイーク(?)に入ります。

前回読んだ、シリーズものの短編に登場してきた「信濃譲二」シリーズだそうです。

デビュー後2作目だそうなのですが、いやいや・・・!
短編のやつはダメだー!と投げ出しそうになったけど、なかなか面白いじゃないですか!


信濃の友人として、お金持ちの令嬢の家庭教師をしている徹の、的を射ているようで実は全然違っている推理が、もっともらしくて読み手に混乱を与えますが、それは事件の真相をつきつめていくうえで、ある意味でプラスになって、どんどん読めちゃいました。

トリックやらアリバイやら、そういうのは読んでもやっぱり私にはちんぷんかんぷんだったりするのですが、密室殺人、雪のために安易に逃げ出すこともできない閉鎖的な屋敷。使用人、家族間の相続争い――と推理小説にはありがちな設定がごろごろ。

だけど面白い!

短編では大学時代の自由奔放な信濃が描かれていましたが、ある程度歳を重ねて当時よりは落ち着いた?信濃の成長と、相変わらずの推理眼には見事すぎて、はあと思わずため息をついてしまうのでした。


それにしても、歌野さんの初期作品と最近の作品は全然違いますね。

本当にジャンル問わず何でも書ける作家って少ないと思うけど、デビュー2作目でこれだけ上手いって・・・。天才です、本当に。