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新装版 長い家の殺人

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消失死体がまた元に戻る!? 完璧の「密室」と「アリバイ」のもとで発生する、学生バンド“メイプル・リーフ”殺人劇ーー。「ミステリー史上に残ってしかるべき大胆なアイデア、ミステリーの原点」と島田荘司氏が激賛。この恐るべき謎を、あなたは解けるか? 大型新人として注目を浴びた鮮烈なデビュー作。




歌野晶午さんのデビュー作です。

これがデビュー作?!
と思わず悲鳴を上げてしまいたくなるくらい、完成度の高い作品です。

それでも当時の作品を加筆修正したくなる気持ちを抑えつつ、最大限当時の原稿のままで新装版を刊行されたという歌野さん。

島田荘司氏の巻末の「薦」を読んでいただければ分かりますが、只者ではないな!という印象を強く受けます。

ファンだからと作家の家へ押し掛け、ミステリ小説を書きたいから教えてくれ!と乗り込める破天荒な若者がこれまでにいたでしょうか!

そしてそれを受け入れた島田氏もかなりの大物ですが、原稿用紙30枚程度しか文章を書いた事がなかったという当時の歌野氏が、初めて書いた長編小説がこれなのです。

そりゃあ、一番最初にかきあげたものから修正や加筆など、アドバイスを受けながらしたのでしょう。

が、デビュー作でこれだけの完成度!

只者ではありません。歌野さん。

しかもこの本が発刊されたのが、1988年。
私、4歳の頃です。

それでも第一線で今なお活躍されている歌野さんの作風は、変化を遂げながらもどんどん進化しています。
ううう・・・凄すぎる。天才ってこういう人の事を言うのだわ。


推理小説としても完成度が高いと思いますが、私はあまりそれについては詳しくないので何とも言えません。。

とりあえず、信濃みたいな男が身近にいたら、毎日怒鳴ってしまいそうだな、と。

このひょうひょうとした、人を見下したようなでかい態度は無理です(笑)


探偵役である信濃が、物語の3分の2の後半でようやく本格的に登場してくるあたり、歌野さん、只者ではないなあと思います。

普通だったら、物語にもっと絡めてきませんか?

それなのにこのふてぶてしさ、態度のでかさといい、インパクト大の信濃譲二。

ようやく信濃シリーズを全部(だよね?もうないよね?)読み終える事が出来ました。

歌野作品は、まだ制覇には程遠いですが・・・達成に向けてまだまだ読んでいきたいと思います!