No-music.No-life

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こうふくあかの

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お前は誰だ。俺の子ではない、お前は誰だ。それが、すべての始まりだった―
結婚して12年、39歳の調査会社中間管理職の「俺」の妻が、ある日、他の男の子を宿す話。2035年、小さなプロレス団体に所属する無敵の王者、アムンゼン・スコットの闘いの物語。二つの話が響き合う。

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西加奈子さんの本です。

こうふくみどりのとまるで対になっているような装丁の本。

みどりのが私的にうーんという感じだったので、あかのを読むつもりは特になかったのですが。

図書館にあったので、借りてきました。

みどりかあかかっていったら、私はこのこうふくあかのの方が好きだと思いました。

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人から嫌われまいと、入念な計算の元に自然な振る舞いと気遣いをしながらその安定した地位を確立してきた主人公の男は、39歳。

仕事でも信頼されて慕われる上司になりきり、家庭には美人な妻がいる。

安定しているかに思えた生活が、妻の突然の妊娠した宣言にてガラガラと崩れていく。

妻には、もう何年も触れてさえいない。
だからこそ、子どもが出来るなんて事があるわけがないのだ―

誰の子なのか?と問い詰めても煮え切らない答えを繰り返す妻。

そんな状況から逃げるように、同僚と共に立ち寄った一軒の居酒屋は、音の無い猪木のプロレスの試合をテレビで流している不思議な店だった―

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サイドストーリーと最終的に繋がるのは、みどりのと同じですね。
みどりので出てきた明日子さんという名前があかのでも出てきたので、繋がりがあるんでしょうか。

サイドストーリーにはあまり興味は持てなかったのですが、この主人公の男には変に共感というか、同情してしまいました。

けれども最終的に良い方向へと進んでいく結末だったのでほっと安心したりもしました。