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九つの、物語

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大切な人を、自分の心を取り戻す再生の物語
大学生のゆきなのもとに突然現われた、もういるはずのない兄。だが、奇妙で心地よい二人の生活は、続かなかった。母からの手紙が失われた記憶を蘇らせ、ゆきなの心は壊れていく…。

*―*―*―*―*―*

橋本紡さんの本です。

初めて読んだ、流れ星が消えないうちには、悪くないけれども・・もう一度読みたいという程ではないなあという感じだったので、今作も恐る恐る読んでみた感じでした。

書店に行く度に一押しされているし、装丁も可愛いし(これは、青山七恵さんのやさしいため息の装丁と同じ人が書いたのか?)、何よりタイトルがいいですよね。

文豪達の本をモチーフにした九つの短編が、とても愛らしく、そして少しばかり切なさを残しながら展開していきます。


兄の部屋で本を読んでいると、突然部屋に現われたのは死んでしまったはずの兄。

自分の為に美味しい手料理を振舞ってくれる兄は、まるで死ぬ前と何も変わらないようだ。

女の子にもてて、かっこ良くて、だけど少し嫌いだった兄。
突然死んでしまった兄との、不思議な交流がはじまった。

これは幻なのか?
それとも、自分が兄の死の原因を作ってしまったという負い目から自分が作り出した空想なのではないか?

けれども確かに、自分以外の人間にも兄の姿は見えるらしい・・

*―*―*―*―*

うん、この本は凄く良かったです。
こういう雰囲気、とても好きです。

死んでしまったはずの兄が、突然目の前に現われる。

ありがちな話だけど、この兄は妹以外の目にも見えるということ。

自爆霊の兄の彼女、事故死した同級生、そんな幽霊たちも、一見普通の人間たちと変わらない世界で生きている。
そういう設定だったから、何だか怖くなくて、気持ちが温かくなりました。

兄が作る手料理が、どれもこれも手が込んでいてとても美味しそう!
想像しただけでお腹がすいて仕方ありませんでした。

この本、お薦めですよ!


そして、本日予約していた有川さんの「ラブコメ今昔」が手元に。
しかし・・電車の中で読んでいたらニヤケが止まらない・・!
危険なので、週末に家で読むことに決めました(笑)

明日は小路幸也さんの「東京バンドワゴン」を。