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モダンタイムス

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検索から、監視が始まる。漫画週刊誌「モーニング」で連載された伊坂作品 最長1200枚。
岡本猛はいきなり現われ脅す。「勇気はあるか?」
五反田正臣は警告する。「見て見ぬふりも勇気だ」
渡辺拓海は言う。「勇気は実家に忘れてきました」
大石倉之助は訝る。「ちょっと異常な気がします」
井坂好太郎は嘯く。「人生は要約できねえんだよ」
渡辺佳代子は怒る。「善悪なんて、見る角度次第」
永嶋丈は語る。「本当の英雄になってみたかった」

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伊坂幸太郎さんの、最新長編です。

いやあ、読み応えたっぷりの枚数でした。
3日読んでましたし(笑)


冒頭から、「勇気は実家に忘れてきた」という意味深な言葉で始まるこの物語。
妻の佳代子から浮気を疑われ、拷問されそうになった渡辺。

突然仕事を放り出して失踪した、五反田。

その仕事の後釜を任された渡辺と、大石だったが・・いつしか不可解な事件に巻き込まれていく。

とあるキーワードを検索することにより、次々とその人物に災難が降りかかる。
時に事件の犯人に仕立て上げられ、自殺をし、指を切断され―

「安藤商会」とは何なのか、そして事件の真相とは・・!


どのへんが魔王の続編なんだろうと分からないまま読んでいて、ようやくああ、あの弟とその彼女なのか!

と気付いた時に、一気に面白くなってきました(←遅い)

あの彼女が老いてもなお、可愛さを失っていないことにも微笑ましさがあったし、あの後彼らはこんな人生を送ってきたのか・・と知ることも出来たので、その点でも満足であります。


それにしても・・佳代子が怖すぎです。
美人だけど浮気を疑ったら容赦ない・・そして何でそんなに強いんですか?

掴めないキャラクターだったこともあって、この人物だけは最後まで好きになれませんでした(笑)

ともあれ、大作を読んだ後の達成感は良いですね。

この物語は、最後まで読んでもすっきりしない部分も実は沢山ある。
大きなものを壊すことは出来なくて、身近にある小さなものすら壊せない。

お金があれば、何でも解決する。
だけど解決できないこともある。

巨万の富、名声を手に入れた人でも、結局は悩み苦しんで、答えが見つからないまま死んでしまうのかなあとか、色々な事を考えた本作でした。