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100冊読破記念~2008年に読んで良かった本ベスト10~その弐

つづき・・

第5位:ゴールデン・スランバー/伊坂幸太郎


仙台で金田首相の凱旋パレードが行われている、ちょうどその時、青柳雅春は、旧友の森田森吾に、何年かぶりで呼び出されていた。昔話をしたいわけでもないようで、森田の様子はどこかおかしい。訝る青柳に、森田は「おまえは、陥れられている。今も、その最中だ」「金田はパレード中に暗殺される」「逃げろ!オズワルドにされるぞ」と、鬼気迫る調子で訴えた。と、遠くで爆音がし、折しも現れた警官は、青柳に向かって拳銃を構えた―

本屋大賞受賞作でもあり、大変話題になった一作でした。

伊坂さんの本を、これで全部読み終わったなあという達成感もありましたねえ(笑)

面白かったのだけど、しかしやっぱり伊坂さんの作品の中では「重力ピエロ」が一番かもって思ったりもします。
本屋大賞受賞作というのは、今まで映像化されているのでこれも映画化とかになったら面白そうだなあとは思っています。

読み応えたっぷりの一冊なので、読むのに非常に時間はかかりますが・・読んで損はないのでぜひ♪


第4位:白夜行/東野圭吾


1973年、大阪の廃墟ビルで一人の質屋が殺された。
容疑者は次々に浮かぶが、結局事件は迷宮入りする。
被害者の息子・桐原亮司と、「容疑者」の娘・西本雪穂-暗い瞳をした少年と、並外れて美しい少女は、その後全く別々の道を歩んでいく。
二人の周囲に見え隠れする、幾つもの恐るべき犯罪。だが、何も証拠はない。そして事件から十九年-

このシリーズ、はまりましたね。
東野さんをまともに読んだのはこれが初めてだったのですが、核となっている亮司と雪穂側からの語りが一切ないというのに、周囲から色々な視点で事件の真相が明らかになっていく様は、読んでいてぐいぐい惹き込まれてしまいました。

幻夜」も同様に面白かったのですが、どちらかを取るならこっちを選ばせて頂きました。

ちなみに、860Pの大作です。
伊坂さんのゴールデンスランバーは3日かかりましたが、これは4日かかりました(笑)


第3位:凍りのくじら/辻村深月


藤子・F・不二雄をこよなく愛する、有名カメラマンの父・芦沢光が失踪してから五年。残された病気の母と二人、毀れそうな家族をたったひとりで支えてきた高校生・理帆子の前に、思い掛けず現れた一人の青年・別所あきら。彼の優しさが孤独だった理帆子の心を少しずつ癒していくが、昔の恋人の存在によって事態は思わぬ方向へ進んでしまう…。

初・辻村作品でした。
私も大好きなドラえもんの道具が話のモチーフになっているのも良かったのですが、家族の絆とか友情とか、そういうものが全て一緒くたになって一冊で楽しめます。

人に対して、SF=スコシ・ナントカで表現する遊び。

少しだけ冷めた目線を持った主人公と、一人の少年と青年の出会いによって変わっていく様がありありと描かれていて、ラストでは目頭が熱くなること間違いありません。


第2位:模倣犯(一)~(五)/宮部みゆき


墨田区・大川公園で若い女性の右腕とハンドバッグが発見された。やがてバッグの持主は、三ヵ月前に失踪した古川鞠子と判明するが、「犯人」は「右腕は鞠子のものじゃない」という電話をテレビ局にかけたうえ、鞠子の祖父・有馬義男にも接触をはかった。ほどなく鞠子は白骨死体となって見つかった―

面白かった!
続きが気になって気になって、寝る間も惜しんで読み続けていた作品でした。

映画化もされ、大変話題になっていた作品を今頃読む機会がやってきたのは、会社の先輩から譲っていただいた事でした。

一冊の分厚さ、しかも全五巻。

絶対読みきるまで相当時間がかかるわ・・と覚悟していたのに、結局一日一冊ペースで読んでしまった位に面白い作品でした。

犯人側、犯人に利用された側、その家族、殺害された被害者の遺族、事件を追うルポライター、刑事・・

巧妙で残虐な手口。
被害者と加害者の家族の想い・・

様々な視点から、一つの事件について追い続けていき、最終的に真犯人が捕らえられた時はようやく肩の荷が降りたような気持ちになってしまいました。

第一巻から読み手には真犯人が提示されているので、物語の展開の中では濡れ衣を着せられた犯人を世間は犯人扱いしているという感じなんですよね。

その矛盾ともどかしさ、現実に起こる無残な事件とはこんなにも無常なものなのだと気付かされた作品でした。


第1位:子どもたちは夜と遊ぶ(上)(下)/辻村深月


優しく触れようとしても壊してしまう、大人になりきれない子どもたちは、暗い恋の闇路(やみじ)へと迷い込んでしまった……。同じ大学に通う仲間、浅葱(あさぎ)と狐塚(こづか)、月子と恭司。彼らを取り巻く一方通行の片想いの歯車は、思わぬ連続殺人事件と絡まり、悲しくも残酷な方向へと狂い始める。掛け違えた恋のボタンと、絶望の淵に蹲(うずくま)る殺人鬼の影には、どんな結末が待っているのか!?

辻村作品の中で、一番に好きな本です。

今年二回も読んでますしね(笑)
何回も読み直したい位に好きです。

特にお薦めは下巻。

まんまと騙されていた!と思う小さな設定から、感動のラストまでの展開は目が離せません。

何より、登場人物達も魅力的です。

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辻村さんの作品は既刊のものは全部読んでいますが、ランク外のぼくのメジャースプーン名前探しの放課後も良かったです。
でも、敢えて選ぶならこの二作。

墓まで持っていきたいのは、第1位の「子どもたちは~」です。

あと101冊の中で、これを越える作品に出会えるのでしょうか。
楽しみです。

一気に書いたら字数制限オーバーしてしまいました。
二つに分かれてしまってごめんなさい。