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幻夜

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阪神淡路大震災の混乱の中、衝動的に殺人を犯してしまった水原雅也と、偶然にそれを目撃してしまった新海美冬。
二人は手を組み、東京へ出る事になった。
彼女を愛しているが故、彼女の指示のまま悪事に手を染めていく雅也。
やがて成功を極めた女の、思いもかけない姿が浮かび上がってくる―それに気付いた雅也、事件を追う刑事の加藤は―
一体、彼女は何者なのか―?!

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東野圭吾さんの本です。

白夜行の続篇と噂される長編。
解説含め、786Pの大作ですが、白夜行は800Pあったんですもんね。
何とか4日で読み終えました。

はい、面白かったです。

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物語の中で、明らかに不可解な人物・美冬は、恐らく白夜行で登場した「雪穂」に違いないのだけれど、年齢だとか、そもそも名前が違う。

けれども、その人々を惹きつける美しさだとか、表と裏の顔だとかそういった部分が酷似している。

読んでいく中で感じた違和。
それは多分、白夜行では直接亮司と雪穂の直接的な接触が描かれていなかったこと、それに対して今作は「美冬」の直接的な指示で動く雅也のやりとりが詳細に描かれていることが理由なのかもしれない。

あくまで事件を追っている者として、抽象的にしか捕らえられなかった「美冬」であり「雪穂」という人物の、本当の顔やしたたかさを具体的に見せられたことによって、この女の底知れぬ恐ろしさであり冷徹さが、よりいっそう具体性を持って捉えることが出来るようになったようである。

ダラダラ書いている割に、伝えたいことが上手く書けないが・・面白かった。
続篇を希望したい。

このしたたかな女の行く末が非常に気になる所だ。