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流星の絆

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惨殺された両親の仇討ちを流星に誓いあった三兄妹。
「兄貴、妹(あいつ)は本気だよ。俺たちの仇の息子に惚れてるよ」
14年後――彼らが仕掛けた復讐計画の最大の誤算は、妹の恋心だった。




東野圭吾さんの本です。

ドラマ化もされ、売上高からみてもかなり話題になった作品だったので、図書館で予約した時は150件とかとんでもない数の予約数になっていました。

今年中には読めないのではないだろうか・・・と思っていたのですが、所蔵数が多いせいか意外と早くやってきて、一気に読みました。


他の方のレビューを見ると、微妙だったという感想も多い事にちょっとびっくりしました。
私は単純に凄く楽しめたのです。

まず、書店で初めて見た時の本のキャッチフレーズ。
両親を惨殺された犯人の息子に、妹が惚れているという衝撃の内容です。

それだけでも読んでみたいと思う気になるには十分で、ドラマは1話だけ見ていて、そして犯人は何かの記事で読んでしまったのでもう知っていたという状態で読んだにも関わらず、続きが気になって仕方がない!というくらい、夢中で読んでしまいました。

確かに、ずっと東野作品を読んできた方にしてみたら、物足りないとかもっと凄い作品を書ける!と思う方も多いのでしょう。

同じドラマ化されて夢中で読んでしまった「白夜行」に比べたら、確かに軽いのかもしれません。

でも、私はまだ東野作品の初心者に毛が生えた程度の読者であることもあるので、比べようがなかったというのもありますかね。


むしろ私が気になったのは、戸神行成があまりにも良い人過ぎた事ですかね。
実際に詐欺のターゲットにされそうになって、自分が好きになった女に利用されていた(やむを得ない理由だったとしても)にも関わらず、何でそんなに優しいの?!と突っ込みたくなりました。


ただ、それを差し置いても・・・
私は東野さんの作品はちょっと冷たいというか、冷静に第三者的目線から突き離して見ているような感じを受けるんです。

宮部みゆきさんの作品は、どれも温かな目線で見つめられているような気がするのとは対照的です。
その冷たさは嫌いじゃないんだけど、どこか寒々しい感じも受けていたんです。

だけど今回はテーマ自体が重くて過酷なのだけど、兄弟3人の絆と繋がりの温かさをとても強く感じました。
ラストもあれはあれで微妙という人もいるかもしれないですが、私はあの前向きで温かい終わり方は嫌ではないです。

そういった意味でも、とても満足して読めた作品でした。

惜しむらくは、やっぱりドラマを最後まで観れば良かったなあという事でしょうかね。