No-music.No-life

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白夜行

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1973年、大阪の廃墟ビルで一人の質屋が殺された。
容疑者は次々に浮かぶが、結局事件は迷宮入りする。
被害者の息子・桐原亮司と、「容疑者」の娘・西本雪穂-暗い瞳をした少年と、並外れて美しい少女は、その後全く別々の道を歩んでいく。
二人の周囲に見え隠れする、幾つもの恐るべき犯罪。だが、何も証拠はない。そして事件から十九年-

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東野圭吾さんの本です。

こち亀で少し読んだだけで、東野作品をちゃんと読むのは実はこれが初めてでした。

有名作家ということで、敬遠してました。
そして、物凄い分厚さの本ということで更に躊躇ってしまったのですが・・
4日かけて読み終えましたよ!いや、本当凄いです。
解説含め、860Pもありましたね。

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率直な感想を言うと、ラストで拍子抜けしました。
というか、「え?これで終わり?」という気持ちで一杯になってしまったのです。

何ていうか、十九年という歳月を確かな時の流れ-それは時代の変化であったり、人の成長であったりして表現されている訳です。

小学生だった登場人物が、三十歳になるというそれまで丁寧に描かれているのです。

しかも、核心となるべき人物の亮司と雪穂の周囲からしか、語られないというスタイル。
それでいて、この二人が関わっているとは微塵も思えない程に緻密で入念に「何か」が隠されているという雰囲気というか、重重しいような雰囲気が醸し出されているのに、物語は決してそこにスポットを当てない。

二人に関わったクラスメイト、親、友人、刑事、仕事仲間、恋人・・
その様々な(十九年にも渡る交友関係ですから、本当に沢山の人物の)視点で「事件」や「出来事」が語られていくだけなのです。

最後の最後まで、決して亮司のことも雪穂のことも触れることはありません。

明確な謎解きはないまま、物語はあっけなく終わってしまうのです。


いや、あっけないなんて言葉で片付けてはいけないですね。

核心につかない物語の進め方で、読み手側には様々な推測が可能となるわけです。
「これはもしかしたら・・」と予測しながら読む楽しみもあり。

けれど、やっぱり最後にはきっと事実が明かされるだろうと思って800Pもの大作を読んだら・・酷く曖昧な終わり方なのです。

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読み終わったばかりだというのに、もう一度読み返したくなる話です。

ドラマは見たり見なかったりしてたのですが、全然設定とか違うみたいですね。
でもそっちも見ておけばよかったなあと思いました。

ああ、これはやっぱり面白かったという事か。
うん、そうだ。