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2007年に読んだ本、これが良かったランキング~女性作家編ベスト5~

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5位:瀬尾まいこ『卵の緒』

僕は捨て子だ。その証拠に母さんは僕にへその緒を見せてくれない。代わりに卵の殻を見せて、僕を卵で産んだなんて言う。それでも、母さんは誰よりも僕を愛してくれる-


瀬尾さんの作品は、どれを読んでも後味が良くてとても癒されます。

イジメの問題だとか、学校に関する物語はやはり現役教師ということもあって、秀逸!

そしてこのデビュー作卵の緒はとても優しい気持ちになる一作でありました。

今後の作品もとても楽しみです。


4位:西加奈子『さくら』

スーパースターのような存在だった兄は、ある事故に巻き込まれ、自殺した。誰もが振り向く超美形の妹は、兄の死後、内に籠もった。母も過食と飲酒に溺れた。僕も実家を離れ東京の大学に入った。あとは、見つけてきたときに尻尾に桜の花びらをつけていたことから「サクラ」となづけられた年老いた犬が一匹だけ。そんな一家の灯火が消えてしまいそうな、ある年の暮れのこと。僕は、何かに衝き動かされるように、年末年始を一緒に過ごしたいとせがむ恋人を置き去りにして、実家に帰った。「年末、家に帰ります。おとうさん」。僕の手には、スーパーのチラシの裏の余白に微弱な筆圧で書かれた家出した父からの手紙が握られていた-


今年初めて知った作家さん。
作品によっては、面白くないと思うものも正直、ありますけれど・・

このさくらは良かった。本当に泣きそうになりました。

それにしても、多分男子が持っている女の子のイメージをぶっ壊す作家さんだと思います(笑)
女だって人間だからね、こういう風に自然に女の現実なんてこんなもんよ!とさらして書けちゃう人も珍しいんじゃないかな。

未読作品も極めてみたい作家ですね。


3位:島本理生『クローバー』

ワガママで思いこみが激しい、女子力全開の華子。双子の弟で、やや人生不完全燃焼気味の理科系男子冬冶。今日も今日とて、新しい恋に邁進せんとする華子に、いろんな意味で強力な求愛者・熊野が出現。冬冶も微妙に挙動不審な才女、雪村さんの捨て身アタックを受け…騒がしくも楽しい時は過ぎ、やがて新しい旅立ちの予感が訪れる。理想の人生なんてありえないけれど、好きなひとと手をつないで、明日も歩いてゆきたい―。

島本さんは、今年大きい熊が来る前におやすみあなたの呼吸が止まるまでを発表しています。

しかし、やはり二作ともアンハッピーエンド(大きい熊が~はハッピーエンドもあったけど)な話で、とても読んでいて痛々しかったのです。

しかし・・最新作のクローバーは、とてもよかった。
今までの島本さん作品には登場しなかったような主人公達がそれぞれ生き生きとしていて、そうして終わり方も前向きでとてもよい。
こういう作風に変わっていってもこの作家はやっていけると思う。

着実に前に進んでいる島本さん。次作も大いに期待。


2位:あさのあつこ『バッテリー』シリーズ


「そうだ、本気になれよ。本気で向かってこい。―関係ないこと全部捨てて、おれの球だけを見ろよ」中学入学を目前に控えた春休み、岡山県境の地方都市、新田に引っ越してきた原田巧。天才ピッチャーとしての才能に絶大な自信を持ち、それゆえ時に冷酷なまでに他者を切り捨てる巧の前に、同級生の永倉豪が現れ、彼とバッテリーを組むことを熱望する。巧に対し、豪はミットを構え本気の野球を申し出るが―

今更ながら、再読したバッテリーシリーズ。

こんなにも熱く野球を愛せる少年たちの、思春期独特の悩みや葛藤・・
何より主人公・原田巧とキャッチャーの永倉豪の成長ぶりが垣間見えるのは凄いことです。


あさのさんは、その他NO.6、MANZAIシリーズでも読み手を引き込む力で読者を魅了しております。

凄いです。あさのさん。


1位:三浦しをん『風が強く吹いている』


箱根の山は蜃気楼ではない。襷をつないで上っていける、俺たちなら。才能に恵まれ、走ることを愛しながら走ることから見放されかけていた清瀬灰二と蔵原走。奇跡のような出会いから、二人は無謀にも陸上とかけ離れていた者と箱根駅伝に挑む。たった十人で。それぞれの「頂点」をめざして…。


文句なしに1位です。

箱根駅伝なんて・・はっきり言って全然興味がなかったのです。
けれど、この本を読んで今度から見てみようかしら・・と思えた位、凄く凄く面白かった本です。

三浦さんも他の作品に関しては微妙なのは多々ありますけれど・・
今作は絶対お薦めです!

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そろそろ年が明けてしまうのでブログが重くなりそうなので続きは明日。

男性作家編を。

総合ランキングなんて出来なそうだな。
色々な本を読んで、良い作品に出会いすぎて紹介できない気がします。

では明日・・