No-music.No-life

ヤフーblogから移行しました。

2007年に読んだ本、これが良かったランキングベスト9~男性作家編~

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

さて、年も明けましたが・・今更「男性作家編」を。


9位:乙一『小生物語』


多数の熱狂と興奮を喚んだ現代の「奇書」がついに文庫版で登場。希代のミステリー作家・乙一の波瀾万丈、奇々怪怪にして平穏無事な日常が独特の"ゆるゆる"な文体で綴られる。虚実入り交じった小説家の一六四日間をご堪能ください!

2007年は、乙一さんはあまり本を出しませんでしたね。
映画化が一杯決まっているから、印税で彼はやっていけるだろうといつも思います(笑)

まあ、初監督作品の映画でご本人を見ることが出来たのが一番の思い出です。

昨年読んだのは、このエッセイ?と銃とチョコレートだったけれど、凄い!と思える程ではなかったかな。
今後に期待ですね。

この小生物語は、文庫化して再読したのですが・・何を隠そう乙一さんとの出会いの一冊で(笑)

後半にいくにつれて、現実なのか嘘なのか分からなくなってくるあたりがとても上手い。
乙一さんのあとがきの面白さが、ここに表れている気がしますよ。




私はなるべく彼女の目にとまるよう心がけてきた。吉田神社で、出町柳駅で、百万遍交差点で、銀閣寺で、哲学の道で、「偶然の」出逢いは頻発した。我ながらあからさまに怪しいのである。そんなにあらゆる街角に、俺が立っているはずがない。「ま、たまたま通りかかったもんだから」という台詞を喉から血が出るほど繰り返す私に、彼女は天真爛漫な笑みをもって応え続けた。「あ!先輩、奇遇ですねえ!」…「黒髪の乙女」に片想いしてしまった「先輩」。二人を待ち受けるのは、奇々怪々なる面々が起こす珍事件の数々、そして運命の大転回だった。天然キャラ女子に萌える男子の純情!キュートで奇抜な恋愛小説in京都-


アジカンのジャケットを手がけている中村佑介氏の装丁に、即買いした一冊。
大いに話題になった作品でもあります。

森見さんはこの一作しか読んでいないので、このランクです。


もうね、京都を舞台にしているのも素敵だし、何より黒髪の乙女が可愛すぎる。
天然で、そして誰よりも優しくて可愛らしい・・
そんな乙女に惚れてしまった先輩の一途(?)なんだけど空回り感も思わず笑ってしまう。

素敵な作品でした。


7位:関口尚『空をつかむまで』


市町村合併に揺れる田舎の中学3年生、トライアスロン大会に挑む!今のあなたのような、あの頃のあなたのような少年少女の物語。


関口さんは、私の中で注目している作家さんです。

今作は今までの関口さんの作品とは違って、トライアスロン大会にひょんなことから挑むことになった少年たちの姿が生き生きと描かれています。

2007年スポ根小説部門なんてものがあったら、上位に入れたいくらい。

繊細で心理描写が凄く綺麗なんですよ、関口さんの描く小説って。
それにトライアスロンに挑むという難題を前に成長していく主人公達の姿がとてもよいです!

お薦めの一作。


6位:三崎亜記『バスジャック』『失われた町』



バスジャックブームの昨今、人々はこの新種の娯楽を求めて高速バスに殺到するが…。表題作他、奇想あり抒情ありの多彩な筆致で描いた全7編を収録。 (バスジャック)


初めて読んだ作品『となり町戦争』が微妙だったから、もう読みたくない・・と思ってしまったら、本当に勿体無い作家です。

いや、この2作品・・・素晴らしかったです。

三崎さんといえば、をテーマにした奇抜で予想外な設定が得意なイメージなんですけど、この短編集は少し背筋が冷えるような、そして「何じゃこりゃ!」と思うような、そんな不思議で引き込まれる作品が収録されています。

とてもとても今後が楽しみな作家です。

多分、誰も考えられなかったような作品が書ける人だと思います。


5位:中村航『あなたがここにいてほしい』



懐かしいあの日々、温かな友情、ゆっくりと育む恋―僕は、守り続けなきゃならない。『100回泣くこと』の中村航が贈る、静かで優しい物語。

デビュー作リレキショが私の中では微妙だったので、敬遠していた作家でした。

今年はじっくり中村さんの本を読んでみましたが・・・

好きですね、この作家さん。

中村さんが描く物語に出てくる女の子が凄く可愛いのです。
男の子はこんな子いないよ!という感じの可愛さで描かれているのですが、女の子はほんと、私が理想とする女の子像はこれだ!というのをドンピシャで書いてくれる感じ。

この中に収録されているハミングライフが私の一番のお気に入りです。

絶対読んで欲しい!可愛いですよ♪




ミステリーの「今」を読みたければ、池袋を読め。刺す少年、消える少女、潰し合うギャング団…命がけのストリートを軽やかに失踪する若者たちの現在を、クールに鮮烈に描く大人気シリーズ。


石田さん・・今年は沢山読みましたよ。
アンソロジー以外はほとんど読みつくしましたねえ。

で、思ったのですが・・石田作品は面白いのとそうでないのの差が激しいということでしょうか。

このIWGPシリーズは、文句なしに面白い。
どんどん話に引き込まれるし、一冊で何章かに分かれているから読みやすい!

ということで、他作品も読んでみたのですが・・特に恋愛小説には「こんなんないだろ~」とツッコミたくなるものもあったりして。

という訳で、このランクです。

でもですね。何度もいいますが、このシリーズは本当に面白いので読んで欲しいです。


3位:本多孝好『FINE DAYS』『MISSING』『正義のミカタ』



死の床にある父親から、僕は三十五年前に別れた元恋人を捜すように頼まれた。手がかりは若かりし頃の彼女の画。僕は大学に通う傍ら、彼らが一緒に住んでいたアパートへ向かった。だが、そこにいたのは画と同じ美しい彼女と、若き日の父だった…(FINE DAYS)


気になっていたけれど、初めて2007年に読んだ作家。

凄い。面白いです。

不思議な話というか、漂う切なさというか・・

なんて表現したらいいんだろう。この世界観。

最後まで美しくて儚い感じ。
そしてミステリーっぽいんだけれど、感動する話もあったり。

で、最後に読んだ正義のミカタで、また新境地を開拓した本多さん。

今後どうなっていくんだろう?
とても楽しみな作家です。




このごろ都にはやるもの、勧誘、貧乏、一目ぼれ。葵祭の帰り道、ふと渡されたビラ一枚。腹を空かせた新入生、文句に誘われノコノコと、出向いた先で見たものは、世にも華麗な女(鼻)でした。このごろ都にはやるもの、協定、合戦、片思い。祇園祭宵山に、待ち構えるは、いざ「ホルモー」。「ホルモン」ではない、是れ「ホルモー」。戦いのときは訪れて、大路小路にときの声。恋に、戦に、チョンマゲに、若者たちは闊歩して、魑魅魍魎は跋扈する。京都の街に巻き起こる、疾風怒濤の狂乱絵巻。都大路に鳴り響く、伝説誕生のファンファーレ。前代未聞の娯楽大作、碁盤の目をした夢芝居。「鴨川ホルモー」ここにあり!!


面白かった。はまった!

ホルモーって何なのよ!!!

っていう思いから、とても気になっていた作家さん。

で、デビュー作でこの面白さって無いでしょう!

奇想天外なストーリー。
京都の街を縦横無尽に駆け巡るスピーディーな展開。
個性豊かなキャラクター、そして恋。

はまった・・はまりました。万城目さん。

鹿男あをによしのドラマ化が決まっていて、とても楽しみにしています。

ホルモーは映画化なんてしてくれないかなあって思っていたりします。


1位:伊坂幸太郎『重力ピエロ』『アヒルと鴨のコインロッカー』『チルドレン』『死神の制度』



ルールは越えられる。世界だって変えられる。読書界を圧倒した記念碑的名作。文庫化にあたり改稿。 兄は泉水、二つ下の弟は春、優しい父、美しい母。家族には、過去に辛い出来事があった。その記憶を抱えて兄弟が大人になった頃、事件は始まる。連続放火と、火事を予見するような謎のグラフィティアートの出現。そしてそのグラフィティアートと遺伝子のルールの奇妙なリンク。謎解きに乗り出した兄が遂に直面する圧倒的な真実とは――(重力ピエロ)


伊坂さんとの出会いは大きかったです。

ずっと気になっていたけれど、有名作家だし~と敬遠していた自分のバカバカバカ!笑

読んだ瞬間に物語のペースにまんまとはまってしまう感じ。
最後まで読めないラスト。
多方面から、様々な登場人物の目から描かれていたはずの物語が・・最後に繋がるあの感じ!

予想できない。そうして最後にじーんと感動してしまう、爽快で切なくて、そして文句なしに面白い本を沢山書かれている伊坂さんが1位です!

来年映画が公開される死神の精度が楽しみです。

---

と、振り返ってみると私って圧倒的に女性作家ばかり読んでいるんだなあと。

基本的に男性ボーカルが好きな音楽とは逆に、女性作家が好きなのよね、本は。

新人発掘っていうのもあまり出来てないし、今度は色々な人の本を読んでみたいです。

やっぱり総合ランキングには出来ないわ~。これで勘弁。

ただ、ホルモーははまった(笑)とだけ言っておきましょう。