ホルモー六景

このごろ都にはやるもの、恋文、凡ちゃん、二人静。四神見える学舎の、威信を賭けます若人ら、負けて雄叫びなるものかと、今日も京にて狂になり、励むは御存知、是れ「ホルモー」。負けたら御存知、其れ「ホルモー」。このごろ都にはやるもの。元カレ、合コン、古長持。祗園祭の宵山に、浴衣で駆けます若人ら、オニと戯れ空騒ぎ、友と戯れ阿呆踊り。四神見える王城の地に、今宵も干戈の響きあり。挑むは御存知、是れ「ホルモー」。負けたら御存知、其れ「ホルモー」。古今東西入り乱れ、神出鬼没の法螺試合、若者たちは恋謳い、魑魅魍魎は天翔る。京都の街に咲き誇る、百花繚乱恋模様。都大路に鳴り渡る、伝説復古の大号令。変幻自在の第二幕、その名も堂々「ホルモー六景」、ここに推参。

－－－

万城目学さんの鴨川ホルモーの続編です。

これは・・・単品で読んじゃうと何が何だか分からないと思われます。
ぜひ先に鴨川ホルモーを読んで頂けると、前作の主人公『京都大学青竜会』のメンバーの安倍、ちょんまげ姿の高村、ぼんちゃん頭の楠木ふみ、鼻筋通った美人の早良、早良の彼氏の芦屋・・

がちょこっと出てくるのですが、今回はその番外編を収録した６編。

ぼんちゃんの告白の裏にあった、少年との交流。
早良と芦屋の喧嘩の発端となった元カノの話。
他校のホルモーに携わっていた会長の話。

京都ではない、東京にあの『鬼』たちの姿を見た元ホルモーメンバーだった二人の男女。

「ああ、実は裏でこんな話があったんだ！」と、ニヤニヤしてしまいました。
ただ、これは番外編っていう感じなので、いっそ続編希望ですけどね。
ホルモーの戦い自体があまり今回は書かれていなくて「今度は恋だ！」と帯に書いてあるから仕方ないけれども・・ホルモーを見たいですね。自分としては。

あと、最後の話はちょっとじーんとしてしまった。
そしてあれ「弧のは」って、鹿男あをによしで出てきた旅館ではないですか！

とちょっとこういう繋がりのあるのって面白いですよね。

万城目さん、今度はどんな話を書いてくれるんだろう。
とても期待大な作家さんであります。

そして、この本で147冊。あと3冊・・・

図書館危機と図書館内乱・・読もうと思うのですが、あと１冊いけるだろうか・・ああ・・今年もあと２日。