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鴨川ホルモー(文庫版)

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このごろ都にはやるもの、勧誘、貧乏、一目ぼれ。葵祭の帰り道、ふと渡されたビラ一枚。腹を空かせた新入生、文句に誘われノコノコと、出向いた先で見たものは、世にも華麗な女(鼻)でした。このごろ都にはやるもの、協定、合戦、片思い。祗園祭の宵山に、待ち構えるは、いざ「ホルモー」。「ホルモン」ではない、是れ「ホルモー」。戦いのときは訪れて、大路小路にときの声。恋に、戦に、チョンマゲに、若者たちは闊歩して、魑魅魍魎は跋扈する。京都の街に巻き起こる、疾風怒濤の狂乱絵巻。都大路に鳴り響く、伝説誕生のファンファーレ。前代未聞の娯楽大作、基盤の目をした夢芝居。「鴨川ホルモー」ここにあり!!


万城目学氏の衝撃のデビュー作。
 
図書館で沢山本を借りてきたつもりだったのだけれど、ここ最近現実逃避のために読書に没頭していたら、手持ちの本を全て読み切ってしまったので、買ったもののまだ読んでいなかった(単行本を再読したすぐ後に文庫が出たので、買ったきり読んでいなかった)文庫版を読むことにした。
 
今回で3回目。
 
こんなに何度も読んだ作品は、辻村深月さんの「子どもたちは夜と遊ぶ」以来ではないだろうか。
 
また辻村さんの再読をしようと思ったのだけれど、あまりにも仕事で鬱々しているので、気晴らしもかねて万城目氏に逃げることにした。
 
そしてやはり何度読んでも思うのだが、
 
万城目氏は天才だ!
 
ということ。
 
奇妙奇天烈な「ホルモー」とは何ぞやと思いつつ、解説の金原瑞人さん(そういえば昨日読んだ「武士道シックスティーン」の解説もこの方だったような)の言葉があまりにもしっくりきていたので、ここに記そうと思います。
 
【え――っ、『鴨川ホルモー』?え――っ、どんな本だったっけ?・・・・などという人はいない。もしいるとしたら、読んでない人くらいだろう。一部でも目にしたことのある人なら、まちがいなく、どんな本だったか覚えているはずだ。】
 
まさにそう!その通り!
 
鬼って?
しかも茶巾絞りみたいな奇妙な生き物?
レーズンで復活?
鬼と鬼との戦い????
 
冷静に考えてみたら、考えてしまったら・・・・明らかにありえないというか、想像もつかない奇天烈な話。
 
なのに、何度読んでも新鮮で斬新で、面白いのだ!
 
思い切りテンションが低い時や、人生に疲れた時。
たまにはこういう全力でバカやってる小説を読むのも良いと思う。
 
日々の鬱々から、少しだけ非日常の世界へ逃避できた気がした。
 
多分、今後も何度も読み直すだろう。
 
大好きな作品だ。
万城目氏の原点。
 
まだホルモーを知らない人は、ぜひとも一度読んで欲しい!