恋愛にも大学生活にも退屈し、うつろな毎日を過ごしていたリョウ、二十歳。だが、バイト先のバーにあらわれた、会員制ボーイズクラブのオーナー・御堂静香から誘われ、とまどいながらも「娼夫」の仕事をはじめる。やがてリョウは、さまざまな女性のなかにひそむ、欲望の不思議に魅せられていく…。いくつものベッドで過ごした、ひと夏の光と影を鮮烈に描きだす、長編恋愛小説。
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石田衣良さんの本です。
結局旅行先で読もうと思いつつ、家に帰って来てから読み終えた訳ですけど。
先日読んだうつくしい子どもとはがらりと変わった話。
娼婦ならぬ、娼年というタイトルに、ドキリとさせられる今作はその名の通り、あるクラブのオーナーにスカウトされた20歳のリョウが、様々な女性客に指名される中で何かを掴んでいくという物語であります。
単純に言うと、それ違法じゃん!っていう感じなんですが、幼い頃に母と死に別れたせいか年上の女性に惹かれる部分がありつつも、何処か異性に無関心なリョウが少しずつ変わっていく様は不思議な感覚です。
それにしても、こんなに売れっ子になって稼いでいる割にはお金を持て余しているのがうらやましい限りです。
最後は、思いもがけない人の裏切りで一度は幕を閉じるのですが・・
最後のリョウの決断は、少しびっくりしました。
最後のリョウの決断は、少しびっくりしました。
まっとうな人生と、こんな娼年になる人生、一体どっちが良いのでしょうね。