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アカガミ

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渋谷で出会った謎の女性・ロダに勧められ、ミツキは国が設立したお見合いシステム「アカガミ」に志願した。しかし、これまで異性と話すことすらなかった彼女にとって、“国”が教える恋愛や家族は異様なもので、パートナーに選ばれたサツキとの団地生活も不安と驚きの連続だった。それでもシステムに手厚く護られた二人は、次第に恋愛やセックスを知り、「新しい家族」を得るのだが…。

窪美澄さんの本です。
 
ふがいない僕は空を見た」で性を描いた窪さん。
だからこそ、その真逆をいく設定に最初は戸惑いました。
 
現在から何年も経った「今」。
若者は恋をすること、もとい性行為自体に興味も持てず、結婚をする事もなく、若者の人口が減少している世界。
その状況を打破しようと国がお見合いシステム「アカガミ」を設立。ひょんなことからアカガミに志願することになったミツキが経験した初めての同棲、恋、妊娠―――
 
怖いなと思うのが、本当に今時の若者は草食過ぎて、恋愛自体に興味を失っているように見えること。
全員が全員そうではないとは勿論思うのですが、そう遠くない未来にこんな若者の数が減っているような世の中になっていてもおかしくないな、と思ったことでしょうか。
 
この画期的に見える「アカガミ」自体にも実は裏があって、結末はハッピーエンドといえるのかそれともアンハッピーエンドなのか、と読み手によって捉え方が異なるものでしたが、、ミツキが初めて経験した恋によって変化していく気持ちは凄く共感できるもので、不穏な雰囲気を気にしないでいられるならば恋愛小説として読み進めたい、と思ってしまいました。
 
しかしところどころに異分子が紛れ込んでいる感はやっぱりぬぐえず・・・
強い余韻が残るラストでした。
(4点)