No-music.No-life

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超・ハーモニー

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有名中学に合格して、ぼくの人生、上々、のはずだった。なのに、このごろユウウツだ。まるで張りぼての人形の頭をかぶっているような、重苦しい感覚。そのとき、ふしぎなメロディーが、ぼくの心にすっと流れこんできたんだ…。家出をしていたにいちゃんが「女」になって、帰ってきた!親子・兄弟・友だち同士、あっちでカリカリ、こっちでギシギシ。この世は木協和音でいっぱいだ-

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以前紹介した非・バランス魚住直子さんの本です。
魚住さんを知った時からずっとずっと気になっていて、ようやく文庫化して読むことが出来ました。

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物語は、魚住さんのイメージからは想像できない異色の物語だ。

主人公、響は有名中学に合格してもっと素敵な毎日が送れると期待していた。
しかし寝る間をおしんで予習をしても、授業についていくのがやっと。
なのに、周りを見れば皆余裕があるのだ・・。

幸せそうな家庭。
出て行ったきりの兄。仕事好きの父。出来の良い(と思い込んでいる)息子を自慢したがる母。

毎日に、嫌気がさしていた頃-

ある日。

自分より大きなハイヒールが玄関に置いてある。
こわばった顔の母。

「将樹が、帰ってきてるのよ」

そう。
7年ぶりに家に戻ってきた兄の将樹だったのだ。
それも、女の人の格好をして。。。

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現実から目をそむけようとする父。
自分を保つことでしか接する事が出来なくなる母。

そして、響は・・

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自分にも兄がいるので、信じられないと思いました。
でも、実際そうなったら・・
どうだろう。
多分一緒に外に出たくない!と思ってしまう。

でも、女の格好をすることで安心した将樹の清清しさは圧巻でした。

響も親のいいなりじゃなく、もっといい形で親に反発できるようになれたらいいなあと思った本でした。