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楽園のつくりかた

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エリート中学生の優は突如田舎の学校に転校することに。同級生は3人。バカ丸出しのサル男、いつもマスクの根暗女、アイドル顔の負け犬美女(?)…。果たしてここは楽園なの?-

笹生陽子さんの本です。

以前「サンネンイチゴ」という本を紹介しましたが、笹生さんの本はまだそれしか読んだことがありませんでした。
電車の中でも手軽に読める文庫。
そして、ちょっと気になる内容。
で、文庫化したばかり(初版)だというので、早速購入。

面白いです。
というより、この人凄い。

都会育ちのエリート、優秀で、将来の人生設計もばっちりの少々生意気で冷めた中学生の優。

突然、母が今の家を出て父の田舎で暮らそうと言い出したのが物語の始まり。

ゲーセンもコンビニも二車線道路も・・都会には当たり前に存在しているものがない田舎の生活。
しかも、同じ学年の生徒が3人しかいない。

エリート中学生として過ごしてきた優は、その生活に物足りなさと不満を覚える。

おばあちゃんを亡くし、ボケて自分を息子(父)の名前で呼ぶおじいちゃんと。
田舎暮らしを満喫する母。

誰にも自分の気持ちを分かってもらえず
クラスメイトともウマが合わず、途方に暮れる優。

そんな優は、遠く外国で仕事をしている父に自分の不満や近況を知らせるメールを送っている。
そして、その返事を読むことで、元気になれる。

しかし・・・人を見下して、自分の事しか考えていなかった優。
一見幸せそうに見えた家族の形は・・

意外なところで、その事実がクラスメイトにバレてしまう。
そして優は-


最後、その事実を知った時、妙に納得。
何となくつじつまが合わないと思いつつ、普通に読み進めていた自分も自分ですが。

優の大人達を冷静に見つめている所や、物事や周りの人物を自分なりに分析している所なんかも面白いです。

そんな語り口調なので、思わずニヤリとしてしまったり。

クラスメイトは、個性豊かな3人。

ラストで、それぞれいい味を出しています。

で、読んだあとの爽快感。
してやられた、みたいな。

とにかく、笹生さん・・上手いなあ!って思わされるところとか。

ぜひ読んでみて下さい♪