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風と共にゆとりぬ

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別冊文藝春秋」「日本経済新聞 プロムナード」掲載分に大量の書き下ろしを加え、
計500枚の大ボリュームでおくる傑作エッセイ集!

・レンタル彼氏との騙し合い対決
・担当税理士の結婚式にて炸裂させた渾身の余興
・初めてのホームステイにてマル秘パンデミック勃発
・ファッションセンス完全外注の経緯
・特別収録!痔瘻の発症、手術、入院――著者の肛門にまつわるすべてをしたためた100枚超の手記「肛門記」……

読んで得るもの特にナシ!! 立派な感想文なんて書けっこない、
ひたすら楽しいだけの読書体験をあなたに。

朝井リョウさんの本です。
 
これは・・・電車の中で読んじゃダメなやつー!!!
(マスクをしていなかったら、不審者としか思えないくらいニヤニヤしていました)
 
前作「時をかけるゆとり」で朝井さんのエッセイの面白さにのめりこんだ私。
 
エッセイ第二弾が発売ということで、読むのを非常に楽しみにしておりました。
 
前作で登場した眼科医がパワーアップ?して再登場したり、相変わらずお腹の弱い朝井さん(毎日の便通が4.7便!もあるらしい・・・よく出たなあ=1便とカウント)の話は、30年来下痢に悩まされてきた私にも通ずるものがあり、特に川下りのトイレに行けない恐怖とかは分かり過ぎるほど分かりました(ちなみに川下りを始めて5分くらいからお腹が痛くなって死ぬかと思った体験をした私)。
 
第一部「日常」で一番面白かったのが、【対決!レンタル彼氏】。
仲の良い(一緒に馬鹿ができる)柚木麻子さんの弟のふりをし、柚木さんがお願いした「レンタル彼氏」と対決する、という話。
 
三者三様の騙し合い。嘘に嘘を重ねる偽りのトーク。全くぼろを出す事のないレンタル彼氏の完璧さ。ニヤニヤしてしまいました(笑)
 
そして第三部「肛門記」。
朝井さんが大変な状況であることがよく分かったと同時に、おかしみが湧きあがってくるのは何故なのだろう。
 
前作で痔→粉瘤になったという朝井さん。
痛みをごまかしながら数年。ついに我慢の限界を越え、病院で検査をしたところ・・・
お尻以外にもう一つ穴があいてしまう(!)というとんでもない「痔瘻」という病気になっていることが発覚。
 
そこから、検査・入院・手術・退院までのドキュメンタリーが詳細に記されております(詳細過ぎるくらいに・笑)。
 
「何者」の映画の舞台挨拶で生の朝井さんを拝見した私ですが、あの時も実はこんな症状に侵されていたことをおくびにも出さずに舞台挨拶に挑んでいたという驚きの真実!
 
馬面、猫背等々、朝井さん自身を評していますが、実物は全くのイケメンでした。
 
黙っていればいいのに、ファッションの話であるとかお腹が緩い話であるとか、肛門の話であるとか・・・あけっぴろげに、時に大胆に、コミカルに、面白おかしく表現できる人を、豊島ミホさん以外、私は知りません。
 
文章の読みやすさ、自分を必要以上に卑下しないのに貶めつつ、読んでいる人をこんなにも笑わせてくれるエッセイを書ける朝井さん。
(というか、こんなにも面白エピソードを隠し持っている朝井さん)
 
期待以上に、今回も笑い、十二分に楽しませていただきました!!
これはぜひ、第三弾もお願いいたしますよ。
(5点)