似顔絵は上手だが、サッカーはあまりうまくない木島悟。イラストレーター兼漫画家の叔父の世話が唯一の楽しみで、あとはイヤなことばかりの村田みのり。自分の居場所を失いかけていた二人の高校生が発見した、息づまる世界のなかの大きな「好き」……舞台は鎌倉。こころに真っ直ぐ突き射さる、著者会心の恋愛グラフィティ。
佐藤多佳子さんの本です。
大量の単行本処分のため泣く泣く手放す事になり、再読。
これで多分3回目だと思いますけど、やっぱりこの作品大好きだなあ。
突っ張っていても高校生。生意気を言ってもまだ子供。
だけどいっちょまえに大人と同じような恋愛だってできるお年頃。
クラスメイトの木島とみのり。
お互いがお互いに強烈に惹かれあっているのに、単純な「好き」という言葉では表せない特別な存在。
絵を書く側、書かれる側、それぞれ惹かれあう木島とみのり。
何だかきゅーっと胸が苦しくなるのに、この感じがたまらない。
前半はちょっと読みづらいところもありますが、似鳥ちゃんが出てくるあたりから急激に面白くなる、と感じるのは3回目でも変わりませんでした。
やっぱり大好きな小説です。
(4.5点)