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ブルースノウ・ワルツ(再読)

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「怪しすぎるよ。こんなところに『弟』がいるなんて嘘じゃないの?」父と二人、少女は教会の地下、苔むした石畳を歩んでいく。研究者の父と、社交に忙しい母、二人のメイドとともに館で何不自由なく暮らしていた彼女の前に、野生児の「弟」が出現した…。


豊島ミホさんの本です。

 
豊島さんの持ち味といえば、「地味な人なり」の人生を描く事が上手いこと。
高校生を主人公にした青春小説。
ちょっぴり切なさを残した作品が多い印象。
 
それゆえ、その持ち味を確立してから以降は、良い意味でも悪い意味でも「同じような」話に収まってしまっている所があるように思います。
 
決してつまらない訳ではないけど、また似たような作品だったような・・・と思ってしまう感じの。
 
そんな作品も決して嫌いではないのですが、初期の頃の試行錯誤している感じが出ている、この表題作の意外性が良いと思います。
 
今の豊島さんが書いたらどんな風になるんだろう?
 
いつもの豊島ミホ、と思って読むと人によっては拍子抜けしてしまうかも?
 
個人的にはこういった斬新さがある作品(あくまで豊島ミホ作品として、ですが)も良いと思うんですよね。
でも、単行本を泣く泣く手放す事にしたので、その前に再読。
文庫化していないはずだから、レアものかな?
(3.5点)