No-music.No-life

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透明人間の納屋

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透明人間はこの世に存在する。人間を透明にする薬もある。見えないから誰も気がつかないだけなんだ、この町にだっているよ。…学校、友人、母親、すべてに違和感をもって生きる孤独な少年、ヨウイチがただひとり心を開き信じ尊敬する真鍋さんの言葉だ。でもどうしてそんな秘密を知っているのだろうという疑問がぬぐいきれないでいるところに、不可解な誘拐事件が発生した。密室から女性が蒸発したかのように消失したのだ。透明人間による犯行だと考えると謎は氷解するのだが。


島田荘司さんの本です。
 
気になっていてずっと読みたいと思っていた作品。
子供向けの小説なのか、文字の大きさとルビが振られていること、挿絵があることに驚きました。
 
透明人間の話、人物消失のトリック、そしてあのラストの真相がこんな風に繋がるなんて・・・!
 
島田さんが戦争の話や国外の事などを書くと、現実の厳しさをつきつけられる痛みがきますね。
特にラストの手紙の場面・・・
真相に驚きながらも、二度と会う事のない二人の現実が何とも切ない。
 
子供向けだなんて勿体ない。大人もじっくり味わえる小説でした。
<5/4読了>
(4点)