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死者が飲む水

札幌の実業家・赤渡雄造のバラバラ死体が、二つのトランクに詰められて、自宅に送り届けられた。鑑識の結果、死因は溺死。殺害場所は千葉県の銚子付近と特定。しかし、札幌署の牛越刑事が追いつめた容疑者には、鉄壁のアリバイがあった…。札幌、東京、銚子、水戸を結ぶ時刻表トリックが冴える長編力作!


島田荘司さんの本です。
 
読んだ事があるような気がして手にとらずに来たのですが、未読だったようです。
吉敷竹史シリーズや御手洗潔シリーズでもお馴染みの、北海道札幌署の牛越刑事が主役の話です。
 
吉敷や御手洗のような美男子でもなく、若くもなく、華もない牛越刑事ですが、ゆっくり、だけど粘り強く事件を洗い出していくにつれ、着実に真相に近づいていきます。
 
中盤まで遅々として捜査が進行しないことがもどかしく、少々飽きてしまうところもありましたが、ようやく真相が見えてきてからはぐいぐい惹きこまれました。
 
犯人の動機が何だか切ない。
もし自分がこの犯人の立場だったら、どう思うのかなあとか、色々考えさせられました。
犯人と自分が同じ誕生日だということもあるのかな。
 
茨城ということで、耳慣れた地名や路線名が出てきたり(島田作品にはよく出てくるけど)、なかなか面白かったです。
(4点)