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けむたい後輩

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女は、みんな“自分”が大好き。
気は強いが、傷つきやすい彼女たちが欲しいのは、“自信”だった。

良家の子女が集まる女子大を舞台に
元・有名人の自意識過剰な先輩と世間知らずのダサい後輩が
繰り広げるエゴのぶつけ合い。

金持ちで、才能をもてあまし、男にのめりこむ「栞子」は、ダサくて真面目な後輩・「真実子」の憧れのひと。優越感で満たされていたはずの栞子が抱く苛立ちと哀しみ、そして次第に明かされる真実子の稀有な才能。自分の魅力に気付けない女子大生の繊細な心模様をコミカルに描いた共感度100%の成長物語。著者にしか書けない視点で、プライドや劣等感を痛切に描き、女性なら誰でも胸に突き刺さる小説です。


柚木麻子さんの本です。
 
あー何だか嫌あな気持ちになる話でした。
この「嫌あ」な感じは、きっと誰もがこういう経験を持っていると理解しているから。
そういえば周りにこういう人いたような。
もしかしたら無意識に自分もこんなだったかもしれない、なんて思うととても恥ずかしい。
 
しかしこの話が好きになれなかったのは、まあ唯一美人の美里は良かったけど、栞子と真実子がどうしても好きになれなかったせい。
 
自信過剰で昔の栄光を今も持っていられると思っている栞子。
その栞子に心酔する世間知らずのお嬢様の真実子。
 
真美子は実は男性経験もあり、意外と見た目とは裏腹な部分があることが分かってくることもそうだけど、ラストのあの豹変にはいささか驚き過ぎて言葉も出ませんでした。
いつまでも少女ではいられないのですね。
 
評価は高いようなのですが、単純に自分の好みではなかったかも。
柚木さんの今まで読んだ作品とはまたちょっと違った感じだったのも意外でした。
(3.5点)