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サヴァイヴ

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他人の勝利のために犠牲になる喜びも、常に追われる勝者の絶望も、きっと誰にも理解できない。ペダルをまわし続ける、俺たち以外には―。日本・フランス・ポルトガルを走り抜け、瞬間の駆け引きが交錯する。ゴールの先に、スピードの果てに、彼らは何を失い何を得るのか。


近藤史恵さんの本です。
 
サクリファイス」「エデン」に続くシリーズ三作目。
Story Sellerで発表された3作が収録されていることもあるのだけれども、何故か既視感を覚えたのは何でだろう?
一度読んだような気がしてしまったのだけれど、1つめと2つめの作品は未読のはず。。
 
何故かと思えば、前作、前々作と主要人物となっていた人達の番外編とも言うべき短編集なのだけれども、性格やキャラクターがそれぞれ似通っているせいかな。
別人なのに、同じ人物の話を読んでいるような気になってしまったからかもしれないな、と。
 
 
ただ、ミステリが強い「サクリファイス」で面白い!と思い、純粋なロードレースの話を書いている二作目の「エデン」で拍子抜けしてしまった私としては、その中間である本作はそこそこ楽しめたかなと思います。
ただ、これは本当に前作と前々作を読んでいない人にはちんぷんかんぷんかも。
読んでいる私でさえ、こんな人物いたっけ?というくらいの記憶なので、ちゃんとシリーズの1作目から読んで復習をしてから挑んだ方が、もっと楽しめるかなと思います。
 
ロードレースのことは無知で何も知らないけれど、近藤さんが描くこの小説からはリアルな息遣いや緊張感が伝わってくるので不思議です。