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第二音楽室 School and Music

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鼓笛隊の“おちこぼれ”ピアニカ組。練習場所は第二音楽室。あのころ屋上教室には特別な時間が流れていた。音楽室に彩られた4つの物語――
表題作は、鼓笛隊のおちこぼれ組が過ごした短くて幸福な夢みたいな時間のスケッチ。他初恋以前の気分が甘酸っぱい「デュエット」、リコーダーアンサンブルのハーモニーの美しさを封じ込めた「FOUR」、軽音部の繊細な友情を鮮やかに描く「裸樹」。


佐藤多佳子さんの本です。
 
思えば佐藤さん、かなり久しぶりに読む気がします。
というか、新作がなかなか発表されなかったせいもあるか。
書店で見かけて「あ、新作!」と思って図書館で予約していたら、地元図書館に借りられずにあったのでラッキーと借りてまいりました。
 
表題作は小学生が主人公なせいかなかなか入って行けなかったけど、そういえば私も鼓笛隊でピアニカだったよなーと思いだして懐かしくなりました。
自分は超へたくそでもエレクトーンを習っていたというだけで選ばれたのですが(リコーダーがその他大勢で、下から鍵盤ハーモニカ、打楽器・・・みたいな選ばれ方で、指揮者や楽器数が少ないものは優秀な生徒が選ばれるって決まっていたんですよね。
それでも放課後練習したり、家で練習したり頑張っていた記憶が蘇ってきて懐かしくなりました。
 
一番短い話でしたが、「デュエット」良かったです。
甘酸っぱい中学時代の青春(恋愛方面)を思いだしたり。
「FOUR」も良かったです。佐藤さんは恋愛を書くと何でこんなに切なくて胸が苦しくなるくらい素敵なんだろう。
大好きな「黄色い目の魚」(←さかなと売ったら「サカナ」と出てきてしまった。サカナクションってやたら入力しているせいでしょう)を思い出す、素敵な話でした。
で、最後の「裸樹」がまた良いんですわ。
全然音になっていないぐだぐだバンド、どっかで聞いた事あるようなフレーズですな。
ギターが全然練習しないとか、スタジオ練習って言っても喋ってるだけでほぼ終わっちゃうみたいな(苦笑)
自分のバンドがまさにそんな状態なので、最後の最後にへたくそでも音を出し、合わせきった!という達成感のシーンは凄いリアルに迫って来ました。
そうそう。
部屋で練習して音を絞っているのと、スタジオでアンプに繋いで大きな音出せるのって、全然違うんだよね。
またバンドやりたくなったなあ。
 
学園モノ+音楽(バンドと私の好きなリコーダーものがあったので・笑)モノというだけで既に☆4つですけど、佐藤さんの描く素敵な短編がとても素晴らしく良い気分にさせてくれたので、4.5点!
 
もう一つこれの姉妹品?みたいのが発売されていますよね。そちらも楽しみです!