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カラフル

突然現れて当選を告げる天使の計らいで、死んだはずの“ぼく”の魂は、自殺してしまった少年・真の体に“ホームステイ”をすることに。現世に戻る再挑戦のため、真としての生活を始めた“ぼく”は、やがて真が自ら死を選んだ理由を知る。そんな中、“ぼく”は現世に戻る再挑戦をすることの本当の意味を考え始めるが……。


声の出演:冨澤風斗/宮崎あおい/麻生久美子/南明奈/まいける/高橋克美/中尾明慶
監督:原恵一
原作:森絵都「カラフル」


先日公開が封切られてから、早速映画を見に行こうと映画館に行ったのですが・・・・
平日にも関わらず、夏休み最後のレディースデイだったせいか、ありえないくらいの長蛇の列。
 
明らかに時間に間に合わないと察した私は、泣く泣く映画を見ることを諦めたのでした。
 
そして今日、朝一番の回の¥1,200で見る事ができました。
9月に入って小中高生がいなくなったせいもあって、大分ガラガラでしたが、返って見やすくて良かったです。
 
森絵都さんの原作を読んだのは、多分もう5,6年前になるんじゃないかと思います。
2回くらい読んで、森さんの作品の中でもお気に入りの一つでした。
 
実写映画化(田中聖がジュニアだった時)した時は、何となく観る機会を逃したというか、あまり興味がなかったというか、知らなかったというか・・・・
 
今回はアニメーションということで、実はアニメーションがあまり得意ではない自分は、あまり期待していませんでした。
 
原さんの監督した映画と言えば、クレヨンしんちゃんの泣ける映画「戦国大合戦」と「大人帝国」が有名ですね。
どっちもクレヨンしんちゃんの映画とは思えない程泣けてびっくりした覚えがあるのですが、
今回も泣けた・・・。
 
児童書の分類だから子供向けだと思ってなめてかかると、その内容の濃さや厳しい現実であるとかに驚いてしまった原作なんですけど、
アニメーションとしてそういうのを描くのも、なかなか見ていて辛いものがありました。
 
「死にたい」とか「消えたい」とか、最近よく思う私ですが・・・・
 
死にたいとか思っている奴にこそ、観て欲しい映画だと声を大にして言いたいです。
 
小林真が自殺を図り、抽選に当たった事により「ぼく」の魂が小林真の肉体に宿る。
それにより行き返ったことになった真。
人生に行き詰まり、ショックな事が続いて薬を飲んで自殺を図った真だったけれども・・・
 
一度死んだ事により、バラバラになりかけていた家族の絆が、少しずつ修復されていくのが感動的でした。
ううん、感動的なんて言葉では表現できないな。
もっと違う、何だろう。
 
こうやって人生をやり直せる機会を与えてくれるっていうのが事前に分かっているなら、一回死んでみたら良いと思う。
とか言ってしまうと誤解されそうだけど、
「ぼく」は死んだ事によって、いかに周囲の人間に大切に思われてきたのかってことに気づいていく訳ですよね。
いじめられて、友達の一人もいなくて、家族との仲もぎくしゃくして、何もかも上手く行かなくて。
 
だけど、一度死んだことによって、人生をやり直す機会を与えられた。
そして自分が犯した過ちに気付いて――-
 
 
簡単に死ぬとか、言葉に出して言うもんじゃないなって思いました。
それは、実は周囲の人間を知らずに傷つけているのかもしれないって、そんな事を思いました。
 
「生きてればいい事がある」なんて、綺麗事かもしれないけど・・・・
この映画を見ていたら、もしかしたらそうなのかもしれないなって思えました、素直に。


実写の映像を織り交ぜて?るのかな。
それにしても、本当に綺麗なアニメーションです。リアルで。
 
だから逆にアニメーションで描かれた人物が浮いてしまっていたようにも感じました。
特にプラプラとか。
まあ、彼は浮いていていいのかもしれないですけどね。
 
 
しかし、なかなか長い映画でした。
私は楽しめたので良かったのですが、男友達数人で来ていたらしい男の子が、途中から爆睡していたらしくて(偶然近くを通りかかったら友達に突っ込まれていた・笑)、人によっては退屈しちゃうかもしれません。
 
個人的には、プラプラや主人公、家族の声に、違和感があるというか・・・
不快感が終始つきまとってました。
 
CMの「ズッキーナ」とかドラマでの演技を観て絶対酷いだろうと思っていたアッキーナが、案外はまっていたのにびっくりしました(可愛いけど、ちょっと馬鹿っぽい感じの子だったから、舌足らずな感じが逆に良かったかも)。
そして、不細工なクラスメイトの挙動不審な声を見事に演じていた宮崎あおい喝采
 
敢えて誰が声をやっているか伏せていたら分からなかったかもしれません。
 
 
でも、演技は決して下手ではない俳優でも、吹き替えをやると何であんなにへたくそになるんでしょうね・・・。
やっぱり本業とは違うからなのでしょうか。
そう考えると、本当に声優って凄いなあとか思います。
 
そして、個人的に路面電車のエピソードと早乙女君に萌えました(笑)
早乙女君は絶対大人になったらモテるね。絶対!
 
・・・話は逸れてしまいましたが、なかなか満足感を得た映画でした。