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脳内ポイズンベリー

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携帯小説家の櫻井いちこ(真木よう子)は、飲み会で同席して以降興味を惹(ひ)かれる年下の早乙女(古川雄輝)と偶然再会。声を掛けるか否か、彼女の脳内ではいろいろな役割を持つメンバーが会議を繰り広げ、議長の吉田(西島秀俊)が取りまとめた結果、早乙女を食事に誘うという結論に。その後交際に至るも、双方の誤解や彼の元恋人の登場などで疲れ果てたいちこは、編集者の越智(成河)からもアプローチされ……。

監督:佐藤祐市

個人的には、何とも身につまされる映画でした。
 
キサラギ」「守護天使」「ストロベリーナイト」の佐藤祐市監督の作品だということを、エンドロールを見て初めて気付きました。
 
冒頭からいちこの脳内がやかましく、ちょっと見ていて疲れてしまうかもしれない・・・という予感はあったのですが、現実の世界のいちこの恋愛模様が何ともリアルで(共感して)、意外とストーリーに入っていけました。
 
これは多分・・・男性には共感しにくい映画ではないかな、と思うのと、この騒がしいほどの脳内会議に見ていて耐えられるかによって、好みが真っ二つに分かれる映画のような気がします。
 
自分も完全にアラサーですし、直近でお互いが好きなのに付き合うことでマイナスになる関係、という相手と付き合っていた事があり、いちこが最後に下した答え(脳内会議の判定ともいうが)には大いに共感できたのでした。
 
騒がしい脳内会議(なにせ、ひたすら全員が大声で怒鳴り合いながら会話している状態が続く)も、こんな恋愛が現実に起こったら平静でいられる訳がない、と思えば意外と受け入れられるし、それぞれのキャラと配役ははまっていて面白く思えてくる。
 
また、いちこが揺れる二人の男を演じる俳優さんたちははっきり言って「誰?」という感じではあるが、それがまた現実的にいそうな感じが現れていて個人的には下手に有名どころを使うよりは入って行けました。
 
フリーターの年下男と、堅実な結婚するならこういうタイプとならそれなりに幸せな生活が送れるだろうと思われる男性と。
 
好きというだけの衝動で恋愛をするにはもういい歳だし、周囲の友達は結婚して子供もいる。
子供もおらず結婚もしていないからこそ、話に入りづらかったり、結婚について考えてみたりする年頃。
けれど結婚するならこういう相手、という条件にはまっている男性が現れても、ときめかない。
 
早乙女(年下男)か越智さんか、という二択を迫られるいちこと、その後選択した結果の現実が描かれ、これでいいのかと見ている側としても悶々とする。
 
早乙女は結婚している相手にも物おじせずアプローチしてしまうような男であり、半年連絡が来なければ自然消滅しているで済ませてしまうような恋愛しかしてこなかったのですが、最後に仕事で成功したいちこに対して嫉妬し、些細なことですぐに不機嫌になってしまうような人間。
 
勿論恋愛にしても本気で好きになった相手もいなかったのではなかろうか、と思われる中で、お互い一緒にいてもどんどんダメになるばかりなのに、いつの間にかいちこに固執している訳ですよ。
ある意味で多分、一生に一度の物凄く好きになった相手がいちこになるだろう予感があるのですが、最後の二人の選択によって、ようやくお互いが成長していけるんだろうなと思うと、ちょっと切なくもありますね。
早乙女はまだとにかく若いんでしょう。
大人になって初めてこの恋愛について色々気付く事があるんじゃないかな、と色々想像を巡らせることができるのも良かったです。
 
そして最後はっきりとは描かれないラストシーンですが・・・越智さんであってほしい・・・!
 
話はそれましたが、真木よう子がめちゃくちゃ可愛いです。
こんな可愛い子にいいよられて付き合わない男がいるのか、と思いますが、いつものクールな感じの真木よう子とは全然違った面が見られていいです。
 
しかし巨乳ですね、真木さん(笑)そして美しいです。
 
役柄、セクシーな衣装よりもラフな衣装が多い感じですが、こういう真木さんも新鮮で好きです。
 
アラサー女子と、ダメ男と付き合った事のある人、お互い好きなのに一緒にいると辛くて別れた経験がある人なんかは絶対見てほしい映画ですね。共感できるはず。
 
個人的にはかなり共感できたので、なかなか好きな映画でした。
 
(4点)