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予告犯

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インターネット上に、新聞紙製の頭巾にTシャツの男が登場する動画が投稿され始める。彼は動画の中で、集団食中毒を起こしながらも誠意を見せない食品加工会社への放火を予告する。警視庁サイバー犯罪対策課の捜査官・吉野絵里香が捜査に着手するが、彼の予告通りに食品加工会社の工場に火が放たれる。それを契機に、予告犯=シンブンシによる予告動画の投稿とその内容の実行が繰り返される。やがて模倣犯が出没し、政治家殺害予告までもが飛び出すようになる。
監督:中村義洋


生田斗真かあ、と何となく敬遠していた映画です。
嫌いという訳では別にないのですが、Jrの頃からリアルタイムで知っているので、何となく敬遠している存在です。同時期に活躍していた風間君派っていうのもあるけれども(笑)
 
なので、中村監督作品と知り、予告編を見て面白そうだなと思ったことで見る事にしたのですが、思えば生田斗真の演技をちゃんと観るのは初めてかもしれません。これまで出演してきた映画は観てませんでしたし。
 
結論を言えば、全く違和感なかったです。シンブンシになりきっていたし、難を言えば、ちょっとイケメン過ぎるというくらいですかね。(なので、風間君が演じてもいけた気がします。身長的な問題でしょうか。)
 
前作の「白ゆき姫殺人事件」に続き、現代のネット社会ならではのストーリーでした。
 
本人にとっては何気ないつぶやき、それこそ悪意という悪意もなくつぶやいているようなことが、不特定多数の批判を浴び、そして標的にもされたりする。
誰もが起こりうるかもしれないことで、だからこそ怖い。
 
一番怖いのは、リアルタイムではしらじらしくもいい顔をしている人が、ネット上では馬鹿にしたようなことをつぶやいていたりするシーン。
こういうのを見たくないからこそ、会社では必要以上にSNSで繋がらないように気をつけているけど(見たら確実に鬱)、映像として見せられてとにかく辛いし、人を信じられなくなりそうになりました。
 
話は戻りますが、警察につかまるような犯罪はおかしていなくても、特定の誰かを簡単に傷つけられるネット社会で、被害者の気持ちを代弁するように傷つけた奴を制裁してくれるようなこの「シンブンシ」みたいな存在が現れたら・・・自分も支持してしまうかもと思いました。
 
良々と濱田君というWパンチなので、ところどころコミカルで笑いが散りばめられているのだけど、ラストに繋がる様々な伏線が回収された時、ふいに胸が熱くなります。
決してヒーローなんかじゃないはずなのに、こいつらなんだよ・・・めっちゃいいやつらじゃないかよ・・・と思ってしまう展開でした。
 
唯一難点を言うならば、戸田ちゃんですかね。
華奢過ぎてあまりにか弱くて刑事らしくないのと、何より明らかに20代の若さでこの階級までいけるの??という疑問。
そしてやたらに小綺麗過ぎる格好、完璧なメイクに違和感があったかな。
気の強い役だったので過激発言しているギャップは良かったですが(笑)
 
印象的だったのは、脇役の窪田正孝君と小松菜奈さんでしょうか。
窪田君は、共演の鈴木亮平さんと合わせて「花子とアン」繋がりなので馴染み深いですが、あまり登場シーンは多くないのに凄く印象に残りました。
そして「渇き。」の小松菜奈さんは更に出演シーンが少ないのに、すごい印象に残るんですよね。
よく見たら美人ではないかもしれないけど、何ともエキゾチックな魅力がある子ですよねえ。
話は全然関係ないですけど、綿矢りささんの「夢を与える」のドラマ版で配役がぴったり過ぎておーと思いましたし。
 
イケメンでプログラマー(それが例え、ちょっとかじったくらいの知識しかなかったとしても)をやっていた経験があるならば、業界的に常に人出不足な気がするので、休職期間があっても諦めなければ雇ってくれるところも見つかったんじゃないだろうか、とか。色々気になる所はあるのですが・・・
それでも「友達」の夢をかなえるべく、自分の命さえ捨てて大きなことを成し遂げた主人公を憎めないのでした。
 
刑事の過去が最後の方で明らかになるんだけど、あんまり掘り下げられる事もなくあっさりと終わってしまったのはちょっと残念だったかなあ。
 
それでも、予告で感じた期待は裏切られることなく観る事ができました。
レイトショーで睡魔と戦いながら見たので、できれば普通の状態で観たかったというくらいでしょうか。
 
ユーザーレビューも割と高めなので、気になっている方はぜひ観てみてください。
(4点)