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アミダサマ

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幼な児の名はミハル。廃棄された冷蔵庫から生れた物言わぬ美貌の子。ミハルが寺に引き取られてから集落はじわじわと変わってゆく。そして猫の死。そして母の死。アミダサマ!ミハルは無心で阿弥陀仏に何かを念じているようだった。冥界へ旅立つ者たちをその手で引き止めるために。痛切なその叫びは冷蔵庫の扉を開けた男にもしっかりと届いていた…。


沼田まほかるさんの本です。
 
沼田さんといえば、デビュー作の「九月が永遠に続けば」で衝撃を受けた作家さんなのですが、地元の図書館にはこのデビュー作を含めて3冊しか置いていなかったので、ここ最近は本を出していないのかな?と思っていました。
 
ところがそんなことはなく、実は他に何冊か出されていたようです。
ということで早速借りて来ました。
 
むう。
沼田さん、やっぱり筆力ありますね。
 
何かが起こりそうな不穏な空気が、最初から最後まで経ちこめている話でした。
 
結局このミハルという少女には、特別な力が――不吉な力があったということなのでしょう。
結末は曖昧に描かれていて、想像するしかない感じではありますが、不穏な空気を醸し出すこの壮大さには感心してしまいます。
 
何となく消化不良感もありますが、読み応えは十分。
気になる作家さんの一人です。
 
他の作品も読んでみたいと思います!