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ファディダディ・ストーカーズ

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女子大生・一咲の周りで起こり始めた小さな異変。差出人不明の置き手紙、煙草の吸い殻、非通知の電話…。父親の仕業と思い込んでいた彼女を見つめる影が、一人、二人…いや三人?第二回パピルス新人賞特別賞受賞。


芹澤桂さんの本です。
 
パピルス新人賞特別賞受賞作、だそうです。
パピルス新人賞・・・聞いた事なかったのですが、タイトルが強烈に印象に残って、書店で見かけて気になって図書館で予約しちゃいました。
 
芹澤さん、1983年生まれなんだそうで。
ということは、おそらく同い年。
 
デビュー作?になると思うんですけど、とても読みやすかったうえに、最後のどんでん返しには思わず喝采をあげたくなりました。
 
分類としてはミステリとかいうつもりで書かれていないと思うんですけど、まさか同時進行で3つの出来事が、ああいう形で繋がるとは思ってませんでした。
 
パピルス新人賞がどういう系統なのか分かっていないのですが、或る意味でミステリ作品と言ってもいいくらい、なかなかどうして面白く読めました。


ある決意を秘めて、実家から出て一人暮らしを始める決意をした一咲は、過保護過ぎてストーカー化している父親に困り果てている。
一人暮らしのアパートへの手紙、携帯への無言電話、バイト先や隣人への挨拶回りなど、父親の度を越したストーカーぶりに呆れながら、同時に父親以外の男がアパートに寄りつくようになったことに気づく。
 
全部父親の仕業だと思っていた一咲も、謎の男が一体何者なのかが分からず戸惑っていた。
 
バイト先への無言電話、同僚が暴漢に襲われた事、携帯への非通知着信、謎の手紙――
 
一体誰の仕業なのか?
 
意外な結末とは・・・?


冒頭の男女の恋人の別れ話から、突然大学生の一咲の話になるのには、こんな訳があったのか!
と、まさかまさかのラストは面白かったです。
 
私の父親は無関心な親だったので、ここまで心配して過保護も度を超えているけど、心配してくれる親ばかな父親という像に憧れすら抱きました。
 
一咲と父のコミカルなやりとりが、一咲には悪いけど読んでいて面白かったです。