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ここに消えない会話がある

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何もない人生にも、キラキラ輝く会話がある
25歳の派遣社員、地味系男子の広田は半ば諦めの境地で生きている。しかし、会社で同僚と交わす会話が楽しくて世の中を嫌いになれない。人とのささいなやりとりのかけがえのなさを描く職場小説。




山崎ナオコーラさんの本です。

すっごくささっと読める本でした。
行間の空白、改行が大変多く、スカスカした感じ(内容がスカスカという訳ではなく、文章構成がスカスカという意味で)。


私的に、山崎さんは一人称で書いた方が好きなんですが、今回も三人称。

だけど、自分と同世代の主人公達の、それなりに不幸でもなく幸福でもない毎日を過ごしている中で、ふとした瞬間に死んでしまいたい、と思うような・・・そんな虚無感が漂ってきて、何だかはっとした。

言葉の端々に、思わず惹きつけられるような一文があって、興味深く読めました。


ああ、懐かしの肌色クレヨンの山田さんと鈴木さんの、この凄く絶妙な関係・・・良いですね。
ぜひ友達に読んで欲しいと思いました。

でも今って、「肌色」って表現は差別用語だからとクレヨンからなくなってしまっているのですね。
知らなかったー。

子供の頃、当たり前に存在していた言葉が、大人になるといつの間にか消えていたりして、驚くことがあります。
しかも、自分で気付かないうちになくなってたりするから、何だか切ないですね。