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海の底(文庫版)

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四月。桜祭りでわく横須賀米軍基地を赤い巨大な甲殻類が襲った! 次々と人が食われる中、潜水艦へ逃げ込んだ自衛官と少年少女の運命は!? ジャンルの垣根を飛び越えたスーパーエンタテインメント! 番外編も収録。




有川浩さんの本です。

単行本で読んでいたのですが、文庫化するのを知って絶対買おうと思ってました。
有川さんの本って、文庫化しているのが前作空の中とこの本だけなんですけど、逆にこれから集めようとしている私には丁度良いかも。
有川さんは文庫で集めようっと。

自衛隊三部作の「海」編ですが、自分は三部作の中で一番これが好きです。


海上自衛隊サイド、警察サイド、そして潜水艦に取り残された二人の自衛官と少年少女達の側から描いた話なのですが、
まるでエビのような巨大な甲殻類が突然発生し、人を襲うという突拍子もない設定なのですが――しかしそれを感じさせないほど、しっかりと固められた「現実」の世界が上手すぎて、フィクションなのにノンフィクションなのではないか?と錯覚してしまうほどに素晴らしい。

ブコメ話は抑え気味ではありますが、女子に慣れていない夏木とそんな夏木に心を惹かれた望の中学生並みの淡い恋がまた素敵です。

最近「クジラの彼」を再読したばかりなので、今作の望に違和感がありました。
あの番外編では、大分本来の望に戻っていますよね。
そして、まだ幼くて頼りない弟の翔の成長も見られるので、この本にはまった方はぜひともクジラの彼も読んで下さい。

文庫版には、夏木と冬原が起こした事件(?)の話が収録されています。
このときにはまだ健在の艦長が何だか切ないですが・・・。

次に文庫化するとしたら、「塩の街」かな?

まあ今は、予約していた「三匹のおっさん」が手元にきたのでそちらを読もうと思います!