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GOTH

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高校生の神山樹(本郷奏多)と森野夜(高梨臨)は、人間の残酷的な面に異常なほど興味を抱いていた。そんなある日、変わり者だけが集うという喫茶店で森野が拾った一冊の手帳には、最近多発している猟奇殺人の一部始終が詳細に記されていた。そして二人は、まだ発見されていない被害者の死体を見つけだすことにする―

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出演:本郷奏多/高梨臨/松尾敏伸/柳生みゆ/山中聡/鳥肌実/夏生ゆうな/中田圭/長塚圭史
監督:高橋玄

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昨日、渋谷のシアターTSUTAYAで観てきました。

冒頭から5分くらいまで、映像を見た瞬間・・「あ、これはダメかも」と思った予感は、当たってしまいました。

駄作という程酷かったわけではありません。ただ、B級感の匂いがぷんぷんしている感じは、最後までぬぐえませんでした。

基本的に、シアターTSUTAYAで公開している作品自体がかなり偏りがあり、B級臭たっぷりな感じだったのですが(日本にはこんなに映画があるんだなあと何となく思ったりした)・・。

キャストがほとんど無名の人ばっかり、監督の名前を聞いても分からない、この映画が認知されているのは、乙一が原作であること、ただそれだけなのではないだろうか・・という感じでありました。

映画を観終わった後、恐らく観ていた人は原作ファンの人が多かったようで「何か・・ね」とカップルで来ていた人達なんかは、失笑というか、二人で目を合わせて含み笑いをしているという光景を幾つか見たり、「原作の話が全部一緒になっちゃってたね・・」と苦笑していたりしている人もいて。
かくいう私は、映画を観ていて久しぶりに眠くなったという次第であります。

時間的には90分ちょいくらいの短い映画だったのですが、それより少し長いくらいの(前回見た)「ハッピーフライト」とは比べ物にならないくらい、とにかく何だか話がダラダラしている気がして、長く感じたんですよね。
何でだろう。

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(ネタバレあります)

まず、これは好き嫌いが分かれると思いますが、この監督の撮り方が私はダメでした。

なんというか・・映画が始まって5分位経過するに至るまでの映像が・・「ああ・・・」という感じなんですよ。
どうせ最後に出演者の名前とかエンドロールとして流れるんだから、わざわざ最初にちょっとゴスっぽいイラストの映像とか、出演者の名前とかを入れなくても良かったと思います。

山とか森とか、自然の色は凄く綺麗な映像だったのに、最初のその映像で最後まで観られるか不安になったくらい。

ラストのぶつ切りな終わり方。

何も動きがないのに、だらっと撮りっぱなしにしている感じ。

犯人が被害者と接触し、殺害に至った断片映像の荒さ(わざとやっているんだろうけど、何だか目障りだった)。

そして、森野の部屋・・・あれは酷い。
明らかに、団地でしょう?団地なのに、森野は一人暮らしなのかよ?っていうか、どう考えても外から見た感じ、部屋があんなに広そうには見えないし、あの過剰な演出は何ですか?(敢えて描かないですが、どういうのか気になる人はぜひ映画を観てください)

それと、GOTHの原作に出てくるそれぞれの短編を、どうして無理矢理一つにまとめてしまったんでしょうか。

神山の飼い犬は「ユカ」だし、喫茶店のマスターは「リストカット事件」の犯人になっているし。
その合間に急いで森野の過去を盛り込んで、学校の先生が出てくるのだけれど、結局その話は入っていなかったりして。

何ていうか・・残念としかいいようがありません。

原作を読んでいない人には意味不明でしょうし、読んだ人にとっては、もう消化不良感で一杯になってしまうのではないでしょうか。

神山を演じた本郷君も、神山という人物を理解出来ないまま演じていたという事もあるのでしょうが、演技がわざとらしく(他の作品ではそんなことないらしいのですが)、ずっと体が斜めっていたのと(これは演技なのか?)、喋り方が何とも言えない感じ。

高梨さんは声が高めだったのはイメージと違っていたのですが、全身黒の制服と黒髪と病的な程の色の白さが、まさに森野でした。それだけがこの映画を最後まで観ていられた理由かもしれません。

実際こういう女子生徒がいたら怖いなあとか思いながら、何で夏の設定なのに汗一つかいていないんですか!
っていうか、何で夏服着ないで注意されないんですか!笑 神山も長袖だし!
とかツッコミどころは多いのですが、森野らしさは十二分に出ておりました。

それにしても、この学校の女子生徒の夏服がなんて暑そうな色なんでしょう。
もったりして見えて全然可愛くない。
高梨さんが凄く綺麗に着こなしていて、森野はこの子しかいないわと思いましたけどね。


それと、エキストラなのか一般人を演じている人や、神山にメアドを聞く後輩とか・・脇役を演じている人が、皆演技がへたくそ過ぎてびっくりしました。

まあ、「ちーちゃん~」の先輩役の人に比べたらマシなんでしょうけど(苦笑)


あと、神山と森野の担任?の女の先生が、ジーンズを履いていたのが気になりました。
あれって、学校の先生に許されるんですか?
それと何故か高圧的な上から目線のキャラが不快でした。

あと制服姿だと全くそう見えないのに、殺された女性の格好を真似た森野が制服を脱いで洋服になったときに、意外と足が細くなかった事に驚きました。
手首とか上半身は凄く細いのに!


ああ、酷評し過ぎました。。
期待し過ぎていたせいなんでしょうね。

うーん、個人的に今年最後の映画でしたがとても残念な終わりでした。。

乙一作品は、やっぱり映像化しちゃうと陳腐になるのかなあ。

GOTHの面白いところは、最後の章なわけで、最初から神山の名前が出てしまっている時点で嫌な予感はしていたのですが、全くその章は触れられてませんでしたね。

映像化不可能だと思われていた作品でも、「アヒルと鴨のコインロッカー」は大成功だったのになあ。

残念です。