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ディア・ドクター

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試写会にお誘いいただいたので、会社帰りに行って参りました。いざ、汐留へ。

ゆれる西川美和監督の最新作、だけど主演が鶴瓶
あんまり鶴瓶好きじゃないんだよな。
観たいけど、どうしよう・・・と思っていたのですが、予告編を観たら気になってしまって。
そんな時に誘ってもらい、ただで観られるとあれば行くしかねえだろ!という訳で行ってきましたよ。








一言で言うならば、

「深い!」

観終わった後に思った感想は、もう一回観ないと分からないでした。

これはある意味、アフタースクールを観た後の感じとも似ていますね。
誰かにあの場面の意味はどういう事だったの?と聞いたり、もう1回じっくりその意味を実感しながら観ていく・・・とかをしないと、完全に理解出来ないこの感じ。

同じ理解出来なかった映画の、先日観たウルトラミラクルラブストーリーのそれとも違い、人によって捉え方や疑問、解釈が変われば何通りもの見方が出来る・・という西川さんの作品は、本当に深くて良い意味で余韻を残してくれます。




山間の小さな村。
その村で村民から慕われていた一人の医師が、突然謎の失踪を遂げる。
やがて事件は思わぬ方向へと動き始める―

キーワードは

小さな村のただ一人の医師・伊野がつき続けてきた、一つの「嘘」。
村に暮らし、東京に出て医師をしている娘を待つかづ子が、伊野だけに打ち明けた一つの「真実」。
伊野の本当の事を知りつつも、しかしそれを決して口外することをしない看護師と薬売りのセールスマン。

医師の失踪、警察の聞き込み調査の現在。
伊野が村で医師を務めていた過去が、うまい具合に交差されています。

現在と過去を行き来する物語というのは、映像化するとなかなか上手くいかないものも多い気がします。
けれど、今作は全く違和感なく見る事が出来ました。

ああ、この素晴らしさを上手く表現できないのが申し訳ないですが・・・。

映像の素晴らしさ、キャスティングの素晴らしさ(特に、主人公を演じた鶴瓶に驚きました。この人以外にはこの役は出来ない!と思わせる演技です。そして脇を固める、八千草さん、余さん、香川さん、井川さんがとにかく素晴らしい)。

ただ瑛太の存在が、何だろう・・
何となくベテラン俳優人たちに押されてしまって、薄れていた感がありました。
何だろうな。それだけ鶴瓶の存在感が大きかったって事なんでしょうか。


こうして記事を書いている今も、あのシーンはどういう事だったんだろう?と思う部分が凄く多いのです。

嘘をついていたのは、果たして伊野だけだったんでしょうか。

警察の聞き込み調査を受ける村民や、伊野に関わった人達の話。
それは何処か現実のものではないような、幻の話を聞いているような不思議な感覚なのです。

もし、これが。
村民の皆が、伊野と関わった全ての人間がついていた「大きな嘘」だったとしたら―

そう思うと、この物語のそこはかとない深さを感じるのです。


原作本の「きのうの神さま」も今予約中です。

もうちょっと時間を置いて、また本を読んだり、映画を観たりしないと・・・完全に理解する事は出来ない映画だと思いました。

いや、多分これは観ている人1人1人が受ける感覚が変わってくる映画なんじゃないかとも思うのです。
100人いたら、100通りの見方があるでしょう。

ラストシーンの笑顔が、更にその思いを強めました。




試写会が行われたのは、汐留の電通でした。

初めて試写会というものに参加したのですが、金曜日のせいでしょうか?
満席でした(元々小さい場所での試写会でしたが)。

19時からという事もあって、物凄く皆のお腹の音が鳴りまくっていて(笑)。
ある意味で安心してみる事が出来ました。

ただ、ちょっと空調が・・・
暑かったのが気になる所でしたが。

こういう機会もなければあんな高層ビルに入れる事もないですが、エレベーターが超高速でシースルーなのでかなり怖かったです(笑)

無料で見られた映画でしたが、これは1,800円かかっても観るべき映画です。

久しぶりに、良質の作品を見た気がします。