No-music.No-life

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生きてるだけで、愛

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あんたが別れたかったら別れてもいいけど、あたしはさ、あたしとは別れられないんだよね一生。

なんで、自分が、こんなに、馬鹿みたいに、寝るのか、誰か、納得のいく、説明を、しろ。――母親譲りの躁鬱をもてあます寧子は、コンパのなりゆきで同棲し始めた津奈木の部屋で、インターネットの掲示板を前に眠り続ける。そこに元彼女が現れて……。

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本谷有希子さんの本です。

前回読んだ本が、案外読みやすかったので借りてみました。

何ていうか、今回も主人公の女がとにかく凄く情けなくて、どうしようもない人間でした(笑)

バイトはすぐにクビになり、鬱になり、仕事もせず、なりゆきで同棲を始めた男の部屋で、ただただぼんやりとした時間を過ごしたり、ほとんどを寝てすごしている。

どうして自分はこんなに上手くいかないのかと自問自答しながらも、決意はすぐにしおれ、実行には移せない。

どうしようもないダメ人間なのに、何故か共感してしまうのは、恥ずかしいことや情けなさを隠しもせずある意味で堂々とした人間だからなのかもしれません。

確かに言葉遣いなんかは汚くて、およそ小説に出てくる女の子とは懸け離れているけれど、多分誰もが絶対にこういう風に思う事って、あるのではないでしょうか。

少なくとも、私はかなり主人公に共感してしまったりしました。

仕事しないのはどうかと思いますけどね(笑)

本谷さんのこの書き方、結構嫌いじゃないです。