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腑抜けども、悲しみの愛を見せろ

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「お姉ちゃんは最高におもしろいよ」と叫んで14歳の妹がしでかした恐怖の事件。妹を信じてはいけないし許してもいけない。人の心は死にたくなるほど切なくて、殺したくなるほど憎憎しい―

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本谷有希子さんの本です。

サトエリ主演、チャットモンチーが主題歌で、映画化もされたのも記憶に新しいですよね!

気になっていたのに、結局見逃してしまったのですが…

とにかく…主人公の澄伽のキャラの濃さに驚きました。うらぶれた田舎で、人より綺麗であった事が、逆に自意識を強めるきっかけになってしまったのでしょう…


女優になる、と決意し、自分が特別な人間であると過剰なまでに思いこむ澄伽。
高校卒業後、東京に出て事務所とそりが合わずに転々とし、妥協して入った小さな劇団すらも追い出されてしまう。

自分が完璧過ぎて、周囲からやっかまれ浮いてしまうのだと思いこみ、必ず自分は必要とされ、特別な存在になれると信じて疑わない澄伽だったが、両親の事故死をきっかけに、一旦田舎に戻る事になった。

母の連れ子である兄、過去に姉の漫画を書き、村中のさらし者にした事で澄伽から憎まれる妹、変わり者の兄の嫁。

澄伽の帰省により、平穏だった家はかき乱されていき―


何作か本谷さんの本を読んできましたが、三人称で描かれている今作は…それぞれの視点から丁寧に描かれていて、かなり上手いです。

単純な部屋の中の描写一つ取ってみても、容易に想像出来てしまうくらいに。

映画はどうなんでしょうか?
気になります。