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知季は小学生の頃、要一の美しい飛び込みに魅せられてダイビングクラブに通い始める。中学生になった彼らを元オリンピック選手で要一の父親でもあるコーチが指導していたが、クラブの経営は赤字続きだった。そのような状況を打開するため、ある日アメリカ帰りの新コーチ(瀬戸朝香)がやって来る。
そして、チーム存続の条件として「オリンピック出場」を掲げたコーチが連れてきたのは、元オリンピック選手の祖父を持つ、飛沫。
知季、要一、飛沫がオリンピック出場に向けてより一層飛び込みにのめりこんでいく―

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出演:林遣人/池松壮亮/溝端淳平/瀬戸朝香/蓮沸美沙子 他
原作:森絵都
監督:熊澤尚人

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ようやく観に行ってきました!

いやー、期待してたんですけどね・・。
私的に「駄作!」と言う程酷い映画ではなかったのですが、恐らく原作を読んでいない人にとっては、ちんぷんかんぷんなんじゃないかと。

大体、飛び込みなんて一般の人から見たら、とてもマイナーな分野だと思うのです。

そんな状況で、「日水連」とか言われてもパッと分かりますか?
そして、飛び込みの種類、得点加算方法、その他諸々の事など余程詳しい人ではないと分かりませんよね。

話の軸となるのは、ダイビングスクールに通う、取り立てて目立った所のない普通の中学生、知季。
元オリンピック選手を父に持つ、スクールNO.1のサラブレッド・要一。
津軽からやってきた、天才ダイバー・飛沫。

クラブ存続の為、オリンピック出場を欠けて厳しいコーチを務めるのは、麻木。


知季に、ダイヤモンドの瞳を持っていると断言する麻木。
それに応えるように、どんどん記録を打ち立てていく知季。
しかし、弟に彼女を取られた事が分かり、全てを投げ出そうとする―

飛び込みをしていた祖父を持つ、飛沫。
津軽では絶壁の上から海に向かって飛び込んでいた飛沫を呼んだのは、麻木。
豪快な飛込みを見せるが、大スプラッシュをあげるなど、プールへの飛び込みには慣れない飛沫に、麻木は―

完璧な演技をこなし、周囲からもその実力を認められてきた要一。
あっけないほど簡単にオリンピック出場が決まった要一は、自分の気持ちに戸惑いを覚え、初めてズル休みをする。
そして、要一が出した答えとは・・


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原作では、上下巻たっぷりと三人のそれぞれの話と、最後にオリンピック出場をかけた試合の様子が描かれていました。
そのせいで、特に何の違和感もなく楽しめたのですが。。

やはり映画という時間の制約の中では、三人もの話を描ききる事は出来なかったように思います。

原作を読んでいる自分としては、そういえばそんな話もあったなあと理解しながら観る事は出来たのですが、どうしても展開の早さが目立ってしまい、粗っぽい印象を受けました。

実際に飛び込みの特訓をした?らしい出演者の皆さんは、見事な飛び込みを披露しています。

最後の飛び込みのシーンで、熱と戦いながらも見事な飛込みを見せる要一、祖父と同じ技を完璧に決める飛沫・・の場面では、感動して思わず目頭が熱くなっていました。

しかし・・

最後の知季のシーンは何でしょう。

ダイヤモンドの瞳、という設定は分かります。
だからこそ、回転しながら応援する様々な人を視界に捕らえる事が出来る、っていう事は理解してますよ。
でも・・あのコマ撮りは要一と飛沫の飛び込みで魅せたそのどれよりも酷い・・

一気に現実に引き戻された気がして、それが映画のラストだったことにガッカリしてしまいました。


弱小ダイビングチームだったはずのチームから、三人も500点越えの選手が出る。

原作では違和感のなかったものなのに、映像化してみると、本当にあり得ないな!と思ってしまったから不思議です。


それと、今まで天才ピッチャーや、硬派な役が多かった林君には、普通の男の子役というものがこんなにも違和感があるのか!という驚きで一杯でした。

ちゃんと、目立った所のない普通の男の子を演じきっていたのは脱帽ではありますが、もしこれが林君のデビュー作だとしたら・・バッテリーのようには評価されなかったのではないか・・という勿体無さを感じた本作でした。

三人にスポットを当てているせいかもしれないけど、一番目立たなかった気がしました。
とても残念です。

いい俳優なだけに、今後に期待しましょう。
それに林君は悪くないですしね。。


それと、要一を演じた池松君。
夜のピクニックのアンナの弟役のイメージが強く、私の中で小学生のイメージなのです。
しかし、林君よりも年上の設定という事に、最後まで妙な違和感を持ってしまったのが残念です。

でも、サラブレット要一を見事に演じていたと思います。


あと、蓮沸美沙子ちゃんが今回も出てましたね。
物語前半を過ぎても出てこないから、不安になってきましたが・・まさか飛沫の彼女役だったとは!
まだ10代なのに、なんて大人っぽいんでしょうか。
色白で細くて可愛らしい子ですよね。


監督は、虹の女神の人なんですよね。
あれは岩井俊二プロデュースだからこそ、の映画だったのだと、何だかそんな事を確信してしまった本作でした。

主題歌はあってましたけどね。