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時をかける少女

 
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母娘二人暮らしのあかりは、母の和子が薬学者として研究を続けている大学に見事合格する。そんな折り、突然母が交通事故に遭い、意識不明の昏睡状態に陥ってしまう。あかりが病院を訪ねると、一瞬意識を取り戻した母は、1972年に戻ってある人との約束を果たすのだとうわ言のように繰り返すばかりで………。


監督:谷口正晃


 
原作は、昔母が持っていたこの本を借りて読んだのが初めてでした。
ふと思い出したように読みたくなって、先日久しぶりに読み返してみたけれど、「ああ、そういえばこんな話だったなあ」って思いだして、懐かしく思ったのを覚えています。
 
アニメ版の時をかける少女が良いという事を聞いていたので、見てみたいと思っていたのに、タイミングを逃して見ていないんですが、
そのアニメ版の声を担当していたのが、仲里依紗さん。
その仲さんが、今度は実写版の主役として時をかける少女に出演されるということで、気になっていました。
 
仲さんと言えば、林遣都君目当てで行った映画「ちいちゃんは悠久の向こう」の舞台挨拶で本人を見た事がありますが、その時は正直な所・・・・そんなに可愛いと思わなかったんですよ(笑)
 
それは多分、この映画があまりにも酷く、そしてその映画の中での仲さんは「小学生の頃に本当は死んでしまったのに、高校生として生活している」みたいな複雑な役だったせいもあって、非常に子供っぽい、舌たらずな喋り方をする演技が(今考えてみれば、演技だとしたら相当凄いのですが)どうも苦手な印象を受けてしまい・・・嫌いではないけど、好きでもないという位置づけが確立されてしまったのがあの映画でした。
 
それから、テレビドラマでも活躍されるようになってきた仲さんですが、今回も正直どうなのかなと思っていたのです。
ただ、声優としてもかなり評価されているとのことで、ならば期待はしてもいいのでは・・・と思い、レビューなどを見てみると・・・結構高評価ではないですか。
 
レディースデイということもあり、朝一9時台の回で見に行って参りました!
 


 
結論。
 
泣きました
 
というか、仲さん・・・良い!ヤバい!
なんだろ、よく見ると凄く可愛いっていう感じじゃないんだけど、良い意味で「何処にでもいる、今時の女子高生」っていう自然体な演技が、凄く映えてました。
 
仲さんありきの映画!
 
原作をさしはさみつつ、あくまでも2010年バージョンのオリジナルな話だったので、
原作のエピソードは、安田成美さん演じる仲さんの母親の学生時代に経験したという形で表わされています。
 
そんな母親の願いを叶えるべく、母親が作ったタイムトラベルの薬を飲み、過去へとタイムスリップしてきた先で出会ったのが、中尾君。
 
1970年代の昭和男児
中尾君の格好がちょうど自分の両親の若い頃の写真で見たような感じで、なんとも現代からしてみるとあか抜けないんです(笑)。
 
でも、また中尾君も良い味出してました。
 
最後の別れの瞬間、今だったら普通に口づけするだろうキスシーンがあるのですが、そっとおでこにキスをするんですね。
本当はすごく好きになっているんだろうと思われる二人なのに、必要最低限しか触れないのです。
 
雨が降ってきた日に、駅まで傘をさして仲さんを迎えにきた中尾君と、その中尾君の差した中に、少しおちゃらけた雰囲気で入って行ったのに、ふと照れて黙りこんでしまう初々しい二人だとか――
 
昭和の、あの時代だからこその「ピュアな」恋愛を見ている私たちは、しかしそれが永遠には続かない事も同時に理解しています。
 
未来を変えてはいけないと、これから起こってしまう出来事を止められずに泣き崩れるシーンと、記憶は消されてしまっても、残された映画を見て涙を流すシーン。
 
それぞれの涙の意味は違い、そしてその違いをしっかりと演技で見せてくれた仲さんに、拍手喝さいをあげたいです。
 


 
気付けば、自分自身もラストシーンで涙がすっとこぼれていました。
 
タイミング悪く、席もガラガラだったのにマナーの悪いガキ・・・中学生だか高校生だかが、映画開始後に自分の席の前を通るし(にも関わらず、すいませんの一言もない)、エンドロールが始まった途端に話始め、携帯を開いたりしたのと、文句タラタラだったのが不快でした。
 
それさえなければとても良い余韻に浸れたのに・・・。
 
まあ、映画としてはなかなか良かったです。
 
とにかく、仲さんが良いです!
 
2010年版・時をかける少女
1970年代が懐かしい世代には、きっと当時の街並みやファッション、流行唄などに目を細めて楽しめると思いますし、
平成生まれの現代っ子にも、今ではなかなか経験できないこのピュアな恋愛を見てみるのも良いと思います。
 
物理的にも未来で再会する事が出来ないまま別れてしまった二人ですが、
時空を超えてでも、恋をするときは恋をするんだなと。
 
ありえない設定と思いつつ、やはり昔から愛されている名作。
 
仲里依紗版・時をかける少女、ぜひぜひ!