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パレード

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映画会社勤務の直輝、イラストレーター志望の未来、フリーターの琴美、大学生の良介たちは、2LDKマンションで共同生活を送っていた。それぞれが不安や焦燥感を抱えながら、怠惰な共同生活を続けていたが、男娼のサトルが現われたことで変化が起こり始め……。








吉田修一さんの原作を読んだのは、いつの事だったか。
読んだ記憶だけはあるのに、内容を全然覚えていないから相当前だったかもしれない。

映画化されたのを知り、敢えて再読せずに映画を観に行く事にしました。
今日は休みをもらっていたので、レディースデイを狙っていきましたが・・・・めちゃくちゃ混んでた!しかも、館内は上から下まで、女子!っていう状況の中、人が多くて嫌だなあと思いながら、早速鑑賞。


開始早々、前方の席から「ぐおー」という豪快ないびきが聞こえてきてびっくりしました。
映画館で寝てしまう人、本当にいるんですね。
しかし冒頭から寝てしまうなんて、そんなに面白くなかったのか・・・。


映画としては・・・うーん。。。

なんていうか、現代の若者の物語でありました。

今時の若者はチャラチャラして・・・っていう若者ではなくて、「他人に無関心」な若者像を思い浮かべてみてください。

特に、都会に住む人間というのは、隣に住んでいる人とも顔を合わせても挨拶もしない、隣の人が一体何をやっているのかを知らない――なんていうのは当たり前なんだと思うんです。


男女4人でルームシェアをして暮らしている・・・なんて言ったら楽しそう!って思うかもしれないけれど、年齢も性別も違う共通点のない他人同士が一緒に暮らしているっていうのは、本当は何だか恐ろしい事なのではないか・・・と思ってしまうような、そんな話です。


同じ部屋で暮らしているのに、お互いの過去の事や抱えている思いなどを知らない。

無関心で、上辺だけの付き合いを、人から見れば平穏に過ごしてきた4人が、一人の少年が加わった事で崩れていく。


そこで意味深に入り込む、連続通り魔事件。
なんとなく、その犯人の見当は付くのだけれど、この映画はそれが焦点ではない。

犯人が明確な形で示されるが、それを「知っていて」黙って上辺だけの付き合いを続けていた、一緒に暮らしている他人同士――その恐ろしくも冷たい目が、犯人を見つめるラストが怖い。


はっきりとした形で結末を迎えて欲しい!と思う人にとっては、後味の悪いしっくりとこない感じを受けると思います。

それに、私みたいに内容を理解するのに時間がかかる人間にとっては・・・なんとなく消化不良な感じは否めない。


でも、今時の若者ってこうなのかな・・・と思うと、日本の未来は明るくないなと何だかそんな風に思ったのでした。


そして、小出恵介氏と林遣都君が「風が強く~」に続いて共演していますが、その作品と比べたら、かなり180度違う内容であります。

男娼を演じた林君、惜しげもなく裸体を披露したり、今まで演じた事がない沢山の「アダルト」なシーンも満載であります。
一つの枠に捉われず、こういう異色な役にも挑戦する姿勢に好感がもてました。


うーん、でも・・・映画の満足度でいったら・・・・何とも言えない所です。