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21 twenty one

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中学校入学の日、担任になった先生が僕たちにこう言った。「ここにいる21人が今日から卒業までの仲間です。そして、なんと21世紀に、21歳になる仲間です」なんでもない、他愛もない、ただの偶然。でもその偶然が重なって集まった仲間が21人いる。その事実が僕たちに強烈な連帯感をもたらした。21世紀に、21歳になる21人。僕たちは“21”というもので繋がれた仲間。21・21・21。“twenty one”だ。そして、ずっと変わらない仲間だと、無邪気に信じていた…。なぜ自ら死を選んだ?僕たちに何も告げず。特別な絆で結ばれていると信じていた人を突然喪ったとき、胸に込み上げる思いをどうすればいいんだろう…。

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小路幸也さんの本です。
初めて読んだ作家さんですが、メフィスト賞受賞作家でした!

メフィスト賞といえば、森博嗣さん・辻村深月さん・乾くるみさんとミステリ色が強いイメージですが、流石ジャンルに囚われない賞というだけあって、全く趣の異なる話でした。

そして、とても、とても良い小説でした。
もう一度読みたいと思いました。

以前読んだ、月曜の朝、ぼくたちはは三十代になったかつての仲間達の話でしたが、それの二十代版という印象でしょうか。

そして、物語の主人公達が丁度私と同い年の24歳・25歳の年代という事もあって、非常に感情移入をしながら読む事が出来ました。

この本を読もうと思ったきっかけは、朝日新聞の日曜版に、小説の書評とか紹介が載っているんですけどね。
その下に本の広告がありまして、そこに描かれていた内容がとても印象的だった事が理由です。

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21世紀に21歳になる21人


一クラスしかない、特別な絆で結ばれた21人。

中学卒業後、変わらない絆で結ばれていると信じて疑わなかった同級生達に、
クラスメイトが一人、自殺をしたという知らせが舞い込む。

特別なクラス、特別な仲間・・

どうして彼は死を選んだのか。

クラスメイト、5人のクラスメイトの語りで物語は展開していくのですが、中心人物となる糸井・宮永、それぞれの彼女である絵里香・遥達の、複雑な関係も絡み合っていきます。

物語の冒頭から、心を鷲掴まれたような。
死ぬような理由が思いつかないかつてのクラスメイトの、死を選んだ理由とは。

明かされていくその理由、クラスメイト達それぞれの秘密・・

21で繋がれた特別な関係。
だからこそ、惹き付けられたのかもしれません。


それにしても・・
何かどっかで聞いたような設定だなあと思ったのがあって。

まず、自殺しちゃう晶君。
女の子顔負けの綺麗な顔立ちをした男の子。

それと、宮永君の姉への恋愛感情にも似た想い・・

何だと思ったら、先日書き終えた自分の小説と登場人物や設定が似ていたのでした。
凄い偶然・・。
宮永君みたいな男の子、好きだなあと思っていたら、自分の書いた小説にもそういう人が出てくることに気付きました。
いやー。
自分の独創性のなさに驚きました。

そんな事はどうでもよくて、この本かなりお薦めです。