No-music.No-life

ヤフーblogから移行しました。

下北サンデーズ

イメージ 1

雑誌「パピルス」連載中から話題沸騰。演劇の街・下北沢を舞台に贈る、弱小劇団奮闘グラフィティ。


---

石田衣良さんの本です。

タイトルを聞いてふと思い出す人もいると思いますが、以前テレビ朝日上戸彩が主演でこの本のドラマがやっていましたよね。

まさか石田さんが原作だったなんて・・と思ったけど、やはり上戸彩のイメージが消えなくて、どうにも抵抗があります。

先に映像を(CMとかでですが)観てしまっていたせいか、イメージがなかなか消えなくて何だか先入観に捉われながら読む羽目に陥りました。
同じドラマ化しているものでも、IWGPは実際にドラマを見ていなかった上にかなり前(高校1年の頃だし!)にやっていたせいか、あまり記憶にありません。

その点、これは最近やっていたせいもあるし・・タイトルを観ても読みたいという気になれなかったのであります。
怖いものみたさで、という感じで読んでみました。


まず違和感を覚えるのは、石田さん作品には珍しく、'''女の子が主人公'''という点にあるでしょう。
そして、演劇の世界に足を踏み入れる可愛らしく素直な女の子という正統派キャラということにも、驚きました。
今までの主役は、ほとんど頭のキレる大人であったり少年であったり、一癖も二癖もある人物ばかりだったように思います(といいつつ、まだ半分の作品も読んでいないのだけど)

だからこそ、驚いたし・・何より本作は一人称で語られていないせいでしょうか。

主人公、ゆいかの目線から見ている第三者(実際にはいない)が代弁しているかのような不思議な角度から捉えられており、それがいつもの石田さんとは違っていてなかなかすんなり読めなかったりしました。

ただ、やはり序盤から中盤にかけて10年続けてきても一番規模の小さな劇場の席を埋めることが出来なかった'''下北サンデーズ'''が階段を登るように、少しずつ知名度と客数を増やしていく様は、次はどうなる?とわくわくしてしまうのです。

そして、売れていくことで金と名声に溺れた団員達のすれ違い・・

様々なドラマを生み、最後に彼らは最高の舞台へとかけあがってって行きます。

最後の最後で、物語の展開は予測できるものとなって、そしてページ数の関係?展開が急で、更に中途半端な結末になっている感があるのが残念ですが。。

まあ、試しにドラマをみてみても良かったかもという感じではありましたね。

今回は少し辛口批評になってしまいました。