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陽気なギャングが地球を回す

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嘘を見抜く名人、天才スリ、演説の達人、精確な体内時計を持つ女。この四人の天才たちは百発百中の銀行強盗だった…はずが、思わぬ誤算が。せっかくの「売上」を、逃走中に、あろうことか同じく逃走中の現金輸送車襲撃犯に横取りされたのだ!奪還に動くや、仲間の息子に不穏な影が迫り、そして死体も出現-ハイテンポな都会派サスペンス!

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伊坂幸太郎さんの本です。

るいさんにお借りしていて、ずっと読んでいなかったのです(なぜなら先にお借りした石田衣良さんにはまってしまったせい)。

伊坂さんは、色々な賞を取ってる凄い人というイメージがずっとあって、だから敬遠していた部分もあります。

だがしかし・・賞をとっているのも納得です。
これは面白かった!

これが私の伊坂さんデビュー作であります。

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まず、それぞれのキャラがいいです。

人の嘘を必ず見抜く事が出来る成瀬。
財布や免許証を本人に気付かれずにさりげなくすってしまう久遠。
人前で延々と演説を繰り広げる事が出来る達人響野。
正確な体内時計を持つ女、雪子。

4人の天才は、完璧な銀行強盗を遂行させ必ず成功させてきた。

しかし今回は、銀行からお金を奪って逃走中に現金輸送車襲撃犯に横取りをされてしまう!

奪還の為に動き始めた成瀬達。
だがしかし、雪子の様子がおかしい。
息子の慎一を過剰に心配したり、いつもの調子とは違っている。

そして現金輸送車襲撃犯の足取りを追っていくと、そこには死体が・・・!

真実は果たして何処にあるのか?!

最後の最後まで、結末はわからない!

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という感じで・・少しずつ紐解いてきたなあと思ったら、更に謎が深まっていって・・
最後の最後まで気が抜けない。

4人のギャング達は、会話だけを読んでいると一見強盗をしでかすようなタイプには見えないユルさ。

だけど計画する所は、どこまでも完璧で緻密な計算がされているんですよ。

ここまで鮮やかに銀行強盗を企てられるのは、この4人の特殊な力があってこそなんでしょうけど。
それぞれのキャラがまた素敵でした。

伊坂さん、凄いぞ。


という訳で、映画化されるアヒルと鴨のコインロッカーも原作を読んでから観に行きたいと思っています。