文庫版『インストール』の書き下ろし小説。
綿矢りささんの作品でございます。
単行本は持っているので、文庫を買う事はないだろう。
故に読むのもきっと大分後になるだろう・・・
故に読むのもきっと大分後になるだろう・・・
と諦めておりました。
しかし、ひょんなことからこの本を借りることが出来まして、早速読んでみました。
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主人公、城島は自分のものを人にあげることで自分自身を守り続けてきた。
お蔭で、一度も誰かにいじめられたことがない。
主人公、城島は自分のものを人にあげることで自分自身を守り続けてきた。
お蔭で、一度も誰かにいじめられたことがない。
過剰防衛?
いや、違う。
いや、違う。
確かに、これを続けていたことで自分を守ることができているはずだ。
そして、大学生になった今でも城島はそれを続けている。
・・・
城島は、クラスコンパで知り合った綾香が気になっている。
綾香に何かを贈りたかった。屈託のない、自然な贈り物。
自分が身に付けて、それを綾香が褒めたところで何気なくあげる方法は・・
いや、そんな方法では不自然だ。
自然なものを・・
いや、そんな方法では不自然だ。
自然なものを・・
そしてひらめく。
一番屈託のない贈り物。
お土産だ。
そして城島は、綾香にポストカードをプレゼントする。
インドの国の風景写真が入った、絵葉書を。
インドの国の風景写真が入った、絵葉書を。
自然に、城島はこのポストカードをお土産として綾香に渡す。
「インド旅行のお土産」と偽って・・・
「インド旅行のお土産」と偽って・・・
しかし・・・
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人に物をあげる事で、うまく渡っていた人生が思いがけない形で崩れてしまう。
主人公城島が・・最後、きっと変わっていくのであろうと思える結末(最後はとっても中途半端で、まだまだ話が続きそうに終わるので)
なので、安心して読める感じだ。
なので、安心して読める感じだ。
短編なので、とっても短く感じられる。
この話は序章で、まだまだ続きがあるのでは?
と思うようなラストである。
この話は序章で、まだまだ続きがあるのでは?
と思うようなラストである。
文庫を読むにあたって、久々に『インストール』を読み返してみた。
相変わらず、面白く、言葉がとても軽快で、爽快で、テンポ良く読めてしまった。