父が余命宣告され、さらに婚約者が突如失踪した亮介は、実家で「ユリゴコロ」と書かれた1冊のノートを見つける。そこには人間の死でしか心を満たすことができない、美紗子という女性の衝撃的な告白がつづられていた。亮介は、創作とは思えないノートの内容に強く引き寄せられ……。
監督:熊沢尚人
まほかるさん原作の「ユリゴコロ」は、とても印象に残った好きな作品です。
しかしどういう内容か実は結構忘れていて、改めてこのブログに書いた感想を読んだのですが、絶賛だったので(笑)、やっぱり映画もみようと思い立ち、観て参りました。
という訳で感想。
松坂桃李が演じる亮介と、亮介が実家で見つけたある殺人鬼のノートの話が同時進行で進んでいきます。
順風満帆な生活を送っている亮介の婚約者の失踪。
死を間近にした父親の住む実家で見つけたノート。そのノートを読んでしまった亮介は、少しずつ少しずつ、闇に引きずられていきます。
ノートの話は、吉高由里子が演じる回想シーンのような形で流れて行きます。
人を殺すということで「ユリゴコロ」を得られる子供であった美紗子は、殺人の記録を鮮明に綴っていきます。
そのシーンは、溺死、圧死、転落死、殺傷、撲殺・・・等々、血で溢れ、生々しいです。
子役から清原果耶ちゃんが演じる学生の頃、そして吉高由里子へと移っていくのですが、無表情に淡々と人を殺す様は、淡々としているからこそ、ぞくっとします。
なのに、物凄く惹きつけられる。。。
途中途中、現実である亮介のシーンに戻るのですが、婚約者の過去など見るに堪えないシーンも入ります(でもこれって入れる必要あったのかしら??)。
そしてノートの続きが気になって仕方ない亮介は、どんどんそのノートを読み進めて行ってしまいます。
何人もの人を殺めてきた美紗子が出会ったのは、とある青年。
そしてその青年との結婚、出産を経て、平穏な暮らしがしばらく続いたのだが・・・・
殺人鬼の話と現実がどう繋がっていくのか、ドキドキしながら目が離せませんでした。
原作を忘れているのですが、前半は原作通りらしいです。
ラストは違うようで。これはもう1回読み直さないと・・・!
やっぱり松山ケンイチも闇を抱えている役が本当に上手いのですよ・・・!
真相は悲しくもあるのですが、それでも一応ハッピーエンドではあるのかなあ。単純に言い切れる訳ではないですが。。
映画は残虐なシーンが結構ありますので、血が苦手な人はダメかもしれません。
けれど、こういう暗いけど惹きつけられる話は私は結構好きです。
割と長い映画でしたが、全く飽きさせる事はありませんでした。
(4点)