No-music.No-life

ヤフーblogから移行しました。

月曜日の水玉模様

イメージ 1
 
 
いつもと同じ時間に来る電車、その同じ車両、同じつり革につかまり、一週間が始まるはずだった―。丸の内に勤めるOL・片桐陶子は、通勤電車の中でリサーチ会社調査員・萩と知り合う。やがて2人は、身近に起こる不思議な事件を解明する〈名探偵と助手〉というもう一つの顔を持つように…。

加納朋子さんの本です。
 
久々に加納さんの本を読んだのですが、やっぱりこの方は上手いですねえ・・・!
 
日常ミステリのイメージがある加納さんなんですが、本作は私、全く別物の話として共感してしまいましたよ。。。
 
この美人OLの陶子さん、高卒で事務の仕事をしているんですが。。
可愛いけれど覚えが悪くてミスも多めの後輩と、何でも仕事をこなしてしまうが故にそれが当たり前と思われて仕事を任されちゃうけど、責任感があるのできちんとその仕事を遂行する→それが当たり前と思われているから、ねぎらわれることもない→けれど有能とは思えない男性社員より明らかに給料は安い→無限ループ・・・
 
状態のこの、なんていうかね!
事務をやっている女子なら分かる、事務OLあるあるが満載すぎて・・・もう分かり過ぎましたよ。
 
で、特に書かれていないけど学歴のあるこの後輩とどっこいくらいなんですよね、給料だって。
 
そして有能な先輩が退職した時も、皆に仕事を頼まれてきちんとこなしていたその先輩ですら、辞める時に惜しまれる事もないわけで・・・
 
女性だからこそ、「結婚」「出産」でキャリアを積むことなく、「どうせ辞めちゃうんでしょ?」という風にしか思われない。
今の時代、女性軽視なんて古いと思うけれど、考えてみれば女性管理職の少なさよ。。。
 
結局は世の中男性中心の会社ばかり。
女性が大活躍している職場はきっとまだまだ少なくて・・・
 
なんて、そんな女性が活躍できない「会社」という組織に対する皮肉がちくちくと込められていて、完全にその状態が分かるからお仕事小説として私は読んでしまいましたね。
 
最近ほんとになんていうか、明らかにこの上司やこの同僚より私は仕事を頑張っているつもりなんだけどなあ・・・給料はこれっぽちしかもらえんのか・・・この人達は私よりもっともらっているんだろうに・・・とやりきれなくなることが多くて、ダメなんですよね。。
 
陶子さんは機転も利くし、頼られ仕事も安心して任せられるようなOLさん。
格好良いです。でも給料あんまりもらえてないのかしら・・・とか心配になっちゃいました。
 
そんな陶子さんは日常の謎を解く名探偵。
電車の中で出会った萩君の陶子さんへの恋は、長期戦なら勝ち目はありそう??
(4点)