中堅化粧品会社・白雪堂に新卒で入社した峰村幸子。看板ラインの「シラツユ」販促キャンペーンチーム担当となった。だが、シラツユの売上は下降線、峰村が先輩の槙さんに相談しながら考えた企画は他のメンバーには理解されない。就職浪人中の彼氏との溝も深まり、さらには情報漏洩疑惑や合併の噂まで聞こえてきて…。
瀧羽麻子さんの本です。
何だか久々に読んだ瀧羽さん。
この本だけは読んだ事がなかったのですが、単行本版とタイトルも変わり、加筆修正もされているようです。
小さい会社とはいえ、入社して3ヶ月足らずの新入社員に30周年を目途にしたビックプロジェクトに携われるのだろうか?という疑問は凄くあるのですが・・・
ただ、私も慣れきって自分のワガママやらやり方がなあなあに通じてしまうようになるほどその職場にいると、このままではダメだ!と思って転職を決意してしまうような人なので(過去2回も。1回はリーマンショックのせいでしたが)、新人ならではの葛藤やら迷いが眩しいほどでした。
こういうまっさらな気持ちで仕事ができるのって、本当の新卒の時だけだもんなあ。
本の中にも出てくるけれども、同期入社だけど中途入社の男の子の考えが凄く分かるんだもの。
ちょっと幸子がうらやましくなりました。
マダムの魔性の魅力と、ミモザの人を惹きつける存在感。
凄く具体的に思い描ける感じでとても魅力的でした。
悪者がいない、そして読後感がとても良い瀧羽さんの作品の魅力は健在。
仕事することに悩んだら、ぜひ読んでほしい一冊です。
(4点)