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テノヒラ幕府株式会社

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フリーターの拓真は、若手社長の寺井サチが興したスマホゲーム開発企業で働くことになった。同期入社は一流企業から転職してきた小野里譲二、55歳。生まれも育ちも違う人々と働くなかで生じる軋轢。我慢するべきか、ぶつかるべきか?個性あふれる面々が迎える予想外のラストとは―「意味がない」「仕方がない」その口癖を呑み込み、向き合え!日々働くあなたに届けたい、組織人への応援歌!!

安藤祐介さんの本です。
 
安藤さんの作品だし、タイトルも凄いのでキワモノかと構えていたら、そんなことはありませんでした。
 
スマホゲームの製作会社を舞台にしたお仕事小説でした。
 
新卒で入社したブラック企業を心も体もぼろぼろになって辞めてから、フリーター生活を送っていた主人公。
過去に投稿していたイラスト投稿サイトを見て、スマホゲームのイラストレーターとしてスカウトされることとなった。
 
少人数で最短で良質な仕事をする、という理想形と言ってもいい形を持続する会社。
しかし一流企業から転職をしてきた小野里が加わったことで、これまでの経営戦略とは異なった仕事のやり方になっていき、社員達の反発や協力心が崩れていく・・・
 
しかしそこで終わらないのがやっぱり安藤さんの小説で、反発されていた小野里に対して他の人とは違うものを見出しついていく主人公と、少しずつ協力体制になっていく社員の皆との連携は読んでいてやっぱりうらやましくなります。
 
毎度ながらダメ主人公が会社に入って奮闘しながら成長していく、というお決まりのパターンなんだけど、普通に勤めている人が読んだらこれこそ理想であり、現実にもあるかもしれないと思わせてくれるレベルの丁度良いお仕事小説になっていて、私にはとても相性がいいなと思うのです。
 
IT系企業で勤めたことがある人ならなおいいかもです。
 
今回もすっかり元気をもらってしまいました。
文章も読みやすくて好きだなー。
 
それにしても、毎日カレーでもいいっていうくらい美味しいまかないカレー。食べてみたい!
(4点)